こんばんは。流れ星

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第61回試験・専門知識

(a)

まず、台風の発達期において、積乱雲が上昇流を維持し続けることについて考えてみます。本文にありますように「水平風の鉛直シアーが強い」場合にそれが維持できるでしょうか?水平風の鉛直シアーが強い、例えば、高度が高くなるにつれて水平風の風速が大きくなるという場で考えてみますと、台風の大きな特徴の一つとして、眼の壁雲の形成に伴い、主に凝結による潜熱の放出によって、下層から上層にかけて周囲よりも温度が高い領域、すなわち「暖気核」を持っています。水平風の鉛直シアーが小さいですと、この暖気核は維持できるのですが、もし高度が高くなるにつれて水平風の風速が大きくなるという場ですと、暖気核は崩れやすくなり発達しにくいことになります。

 

したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

(b)

(気象庁HP:知識・解説>台風について>台風に伴う雨の特性 より)

 

台風本体の雲の周辺200~600 kmのところには帯状の降雨帯が上図のように取り巻いており、「外側降雨帯(アウターバンド)」とよんでいます。断続的に激しい雨が降ったり、竜巻が発生することもあります。

 

したがって、本文の内容は正しいとなります。

 

(c)

(気象庁予報課アジア太平洋気象防災センター 2019:令和元年度 予報技術研修テキスト 台風進路予報の予報円の改善について より)

 

熱帯低気圧は台風に比べて暖気核などのしっかりとした構造を持っていないことから、その後の進路の予報が難しいため台風に対して精度が低く、そのため予報円が大きくなります。

 

したがって、本文の内容は正しいとなります。

 

(d)

台風が温帯低気圧化するとき、中心付近の最大風速は小さくなるものの、本文にあります通り、強風域の範囲が広がったり、風が中心から離れたところで最も強くなったりすることがあります。第39回試験の実技2ではその例が採り上げられています。実技試験も演習されている方は、こちらの問題もチャレンジしてみてください。

 

したがって、本文の内容は正しいとなります。

 

よって正解は、(a)のみ誤りで①ということになります。

 

では。バイバイ

 

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