こんばんは。星空

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・一般知識

(a)

赤道域上空の成層圏では、東風と西風が約26か月ごとに交代する現象が起こります。この現象を準二年周期振動とよんでいます。

 

「一般気象学」p266の図9.14「カントン島における月平均東西風の時間と高度による変化」によりますと、風の交代は上層から風向の変化が起き、時間の経過とともに下層へ伝わっていくことを示しています。

 

したがって、本文の内容は、正しいとなります。

 

(b)

次に、「一般気象学」p259の図9.10「5hPa(高度約35~37km)天気図に見る成層圏の四季の移り変り」を見ながら考えてみます。左図は北半球の成層圏上部における夏の気圧配置と気温分布で、右図は北半球の成層圏上部における冬型の気圧配置と気温分布になります。

 

右図では、北極付近に高気圧があり、全域で東風になっており、等温線および等高度線とも同心円状の分布を示す特徴が見られます。一方、左図では、北極付近に中心を持つ低気圧の周辺を、強い西風が卓越しており、アリューシャン列島付近では、ここに中心を持つ高気圧が現れていることがわかります。これはプラネタリー波が対流圏で励起され、成層圏へ伝播することによって出現します。このプラネタリー波とは、対流圏において偏西風が大規模な山脈にぶつかることによって発生する停滞性の非常に大きな大気の波で地球を取り巻く波数が1~3、波長が約10000km以上に達するものです。つまり、本文にあります通り、夏季に等高度線が北極付近を中心とする同心円状になるのは、対流圏で励起されたプラネタリー波が成層圏へ伝播しなくなるためとも言えます。

 

したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

次に、「一般気象学」p22の図2.1「温度の高度分布と大気層の区分」の成層圏の部分を見ながら考えてみます。下部成層圏における気温の鉛直勾配は小さいですが、これに対して上部成層圏になりますと、高度が高くなるにつれて気温が著しく高まっていることがわかります。

 

したがって、本文の内容は正しいとなります。

 

(d)

最後に、「一般気象学」p251の図9.1「1月における経度平均温度の緯度高度分布」の、成層圏付近および中間圏付近に着目しますと、冬季の1月において、夏極にあたる南半球では南極付近で気温が低く、冬極の北半球で気温が高いことがわかります。一方、夏季ではこの逆で、夏極の北半球では成層圏と中間圏では北極付近で気温が低くなります。

 

したがって本文の内容は誤りとなります。

 

よって、正解は①ということになります。

 

では。バイバイ

 

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