こんばんは。キラキラ

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・一般知識



まず、地衡風について、簡単に触れておきたいと思います。地衡風とは、水平気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っている時に等圧線に平行に吹く風の吹くことをいいます。北半球では気圧の低い方を左に見て、南半球ではコリオリ力向きが北半球とは逆ですので、気圧の低い方を右に見て吹きます。

コリオリパラメータ(f)はφを緯度としますと2Ωsinφ、風速をvとしますと、コリオリ力は

2Ωsinφ・v = fv

一方の水平気圧傾度力(Pn)は、空気密度をρ、距離をΔn、気圧差をΔpとしますと、

Pn = -1/ρ×(Δp/Δn)

すなわち、

Pn = f・v

が成立する形で吹きます。以上を踏まえて、問題を考えてみます。

大小の比較ですので、(a)の「緯度30°、水平気圧傾度2hPa/100km」のときの風速(v)を仮に1と基準をおいて(b)〜(d)が(a)に比べてどれだけ大きくなるか小さくなるかを求めます。

(b)
水平気圧傾度力(Pn)が(a)の1.5倍である一方、コリオリパラメータ(f)は同じですので、風速は(a)の1.5倍となります。

(c)
次に、水平気圧傾度力(Pn)は同じで、緯度が45°の場合ですが、(a)とPnが同じですから、コリオリ力も(a)と同じになります。

一方、コリオリパラメータ(f)はsinφに比例します。問題文より、sin30°=0.5、sin45°= 0.7と与えられていますので、コリオリパラメータ(f)は、7/5倍となります。

そうなりますと、水平気圧傾度力が(a)と同じであることを成立させるためには、コリオリパラメータ(f)が7/5倍になった分、風速(v)はその逆数の5/7倍にする必要があります。したがって、

1×(0.5/0.7) = 1×(5/7) = 5/7 ≒ 0.71(倍)

となります。

(d)
最後に、「緯度45°、水平気圧傾度3hPa/100km」の場合ですが、先ほどの(c)と比較して、コリオリパラメータは同じで水平気圧傾度力が1.5倍になったのですから、風速vは、

5/7×1.5 = 7.5/7 ≒ 1.07(倍)

となります。

よって、求める大小関係は、
 

(b)>(d)>(a)>(c)

 

となり、②ということになります。

 

では。バイバイ

 

イベントバナー