こんばんは。
まず、本文の「低気圧中心から半径100kmの円周上のすべての場所で、地表面から高度1000mまで風速20m/sの水平風が接線に対して中心に向かって30°の角度で反時計回りに吹いているとする。」の部分から考えてみます。
風速20m/sの水平風が接線に対して30°の角度で吹いていることから、動径方向、すなわち円周上から低気圧中心に向かう風の成分を求めます。動径方向の風速は、
20(m/s)×sin30°=20×0.5=10(m/s)
となります。
次に、低気圧中心から半径100kmの円周上のすべての場所でこの風が吹くことが求められたところで、本文の最後に「空気の密度は一定」とありますので、「質量保存の法則」が使えます。
つまり、単位時間(1s)あたりの円柱の側面から入って来る空気の総量と、円柱の上面から出ていく空気の総量が等しいと考えることができるわけです。
そこでまず、単位時間あたりの円柱の側面から入って来る空気の総量は、1000m=103、100km=105mとして、
円柱の側面積×動径方向の風速
=2×π×105(m)×103(m)×10(m/s)…❶
次に、円柱の上面から出ていく空気の総量は、
求める円柱の上面の上昇流の強さをWとしたとき、
円柱の底面積×W
= π×1010(㎡)×W…❷
❶式=❷式が成り立つので、求めるWは、
W=0.2(m/s)=20cm/s
よって正解は③ということになります。
では。