こんばんは。流れ星

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第61回試験・専門知識

 



(ウィンドプロファイラ 美浜観測局 2019.02.04 「美浜のウィンドプロファイラへゆく」より) (気象庁HP:ウィンドプロファイラ観測網(平成26年4月現在)より)

 

(気象庁HP:ウィンドプロファイラの観測原理の概要 より)

  

(気象庁HP:名瀬の気圧の谷の通過をとらえた観測の例 より)

 

(a)

ウィンドプロファイラの観測原理についてですが、ウィンドプロファイラは、上空に向かって発射された電波が大気の乱れ等で散乱されて戻ってきた時の周波数偏位を利用することによって上空の風向・風速を測定する観測機器で、現在、全国に33ヶ所設置されています。

 

(ウィンドプロファイラ観測網(平成26年4月現在)気象庁HP:知識・解説>気象衛星・気象観測>ウィンドプロファイラ より)

 

地上から上空の5方向(鉛直と東西南北の仰角80°)に向けて波長22cmの電波を発射して、ドップラー効果による周波数偏移を検出することで、上空の風向・風速を測定しています。したがって、「電波の強度」とする本文の内容は誤りということになります。

 

(b)

 本文の通りですが、ウィンドプロファイラ観測において雨が降っている場合、大気による電波の散乱に対して、周辺の水平風で流されながら落下する雨粒の方が反射した電波が強いため、落下速度などの雨粒の移動を捉えたものとなります。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

上空の空気が水蒸気や降水粒子で多く存在している状態ですと、散乱されて戻ってくる電波が多く、そのため高い高度まで観測できますが、逆に乾燥していますと、散乱されて戻ってくる電波が弱くなり観測高度が低くなる傾向があります。ウィンドプロファイラ観測は高度が300m間隔で観測され、一般的に降水のないときは約3~6km、降水時は約7~9kmまで観測が可能です。したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

(d)

 

(気象庁HP: 報道発表資料 平成17年(2005年)2月16日 全球数値予報モデルの改善について ~高度な初期値解析手法「4次元変分法」の導入~より )

 

ウィンドプロファイラは、10分間隔という高頻度に観測されているという特徴があります。このような高頻度観測でデータが得られることから、数値予報でも空間3次元だけでなく、時間的なデータも取り入れて初期値解析に利用されています。この手法は数値予報で学習する内容の「4次元変分法」と呼ばれているものです。したがって本文の内容は正しいということになります。

 

よって、正解は、④ということになります。

 

では。バイバイ

 

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