こんばんは。キラキラ

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第60回試験・専門知識

(a)

解析雨量と速報版解析雨量は、気象庁・国土交通省が保有する気象レーダーの観測データに加え、気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する全国の雨量計のデータを組み合わせて、1時間の降水量分布を1km四方の細かさで解析したものです。解析雨量は30分ごとに、速報版解析雨量は10分ごとに作成されます。例えば、9時の解析雨量は8時~9時、9時10分の速報版解析雨量は8時10分~9時10分の1時間雨量となります。解析雨量や速報版解析雨量を利用すると、雨量計の観測網にかからないような局所的な強雨も把握することができることから、的確な防災対応に役立つというものです。

 

(気象庁HP:知識・解説>解析雨量 より)

 

雨量計は正確な雨量を観測しますが、雨量計による観測は面的には隙間があります。一方、レーダーでは、雨粒から返ってくる電波の強さにより、面的に隙間のない雨量が推定できますが、雨量計の観測に比べると精度が落ちます。解析雨量は両者の長所を活かし、レーダーによる観測をアメダスや他機関の雨量計による観測で補正して、面的に隙間のないより正確な雨量分布を得ています。

 

なお、海上では、雨量計のデータがありませんので、陸上の観測により求められたレーダー雨量係数で補正を行っていますが、本文にあります通り、解析される降水量は一般に、陸上よりも海上での誤差が大きくなります。

したがって、本文の内容は正しいということになります。

(b)
降水短時間予報は6時間先までと7時間から15時間先までとで発表間隔や予測手法が異なります。6時間先までは10分間隔で発表され、各1時間降水量を1km四方の細かさで予報します。7時間先から15時間先までは1時間間隔で発表され、各1時間降水量を5km四方の細かさで予報しています。

6時間先までの降水短時間予報では、解析雨量により得られた1時間降水量分布の移動方向と速さ(移動ベクトル)を利用して降水域を追跡し、それぞれの場所の降水域の移動速度を求め(パターンマッチング)、この移動速度を使って直前の降水分布を移動させて、6時間先までの降水量分布を作成しています。予測の計算では、降水域の単純な移動だけではなく、地形の効果や直前の降水の変化を元に、今後雨が強まったり、弱まったりすることも考慮しています。このように、過去の降水域の動きから今後の降水域の動向を予測する手法のことを「実況補外型予測」とよんでいます。

また、実況補外型予測だけでは、予報時間が延びるにつれて、降水域の位置や強さのずれが大きくなることから、予報期間の前半では実況補外型予測よりも予測精度が劣るものの、6時間先までの予測精度が低下する割合が相対的に小さいため、予報時間の後半には数値予報による降水予測の結果も加味しています。

したがって、「数値予報モデルで予測された風のみを用いている。」とした本文の内容は誤りということになります。

(c)

7時間から15時間先までの降水短時間予報では、数値予報モデルのうち、メソモデル(MSM)と局地モデル(LFM)を統計的に処理した結果を組み合わせ、降水量分布を作成します。予報開始時間におけるそれぞれの数値予報資料の予測精度も考慮した上で組み合わせています。

 

したがって、「全球モデルの降水予測の結果」は用いていませんので本文の内容は誤りということになります。

 

よって、正解は(a)のみ正しく、③ということになります。

 

(参考)気象庁HP:知識・解説>解析雨量 および 知識・解説>降水ナウキャスト、降水短時間予報

 

では。バイバイ

 

イベントバナー