こんばんは。三日月

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第60回試験・専門知識



まず、地点A、地点B、地点Cそれぞれの測定結果から、表1および表2に基づいて水蒸気圧および相対湿度を求めてみます。

(地点A)
気温が20℃であることから、表1より飽和水蒸気圧は23.4hPa、電気式湿度計の測定結果が70%ですので、求める水蒸気圧は、

 

23.4×0.7=16,38(hPa)

 

となります。

 

(地点B)

露点計による測定結果より、露点温度は15℃であることから、表1より、水蒸気圧は17.1hPa、一方、気温が25℃ですので、表1より飽和水蒸気圧は31.7hPaであることから、相対湿度は、

 

(17.1/31.7)×100≒54(%)

 

となります。

 

(地点C)

アスマン通風乾湿計による測定結果が、湿球温度15℃、乾球温度が20℃で、乾球温度と湿球温度との温度差が5℃であることから、表2より相対湿度が59%と求められます。また、表1より気温(乾球温度)が20℃のときの飽和水蒸気圧は23.4hPaであることから、求める水蒸気圧は、

 

23.4×0.59=13.806≒13.8hPa

 

となります。

 

以上を踏まえて、本文(a)、(b)、(c)の内容の正誤を見ていきます。

 

(a)

「大気に含まれる単位体積あたりの水蒸気量が最も少ないのは、」とあります。先ほど各地点の「水蒸気圧」求めたわけですが、気象学における気圧とは単位面積あたり、すなわち1㎡あたりに受ける力を意味し、水蒸気圧は、空気柱全体における水蒸気の分圧を意味しますので、3地点の水蒸気圧を比較することによってこれらを単位体積あたりの水蒸気量に置き換えて考えることができます。この結果、地点Aは16.38hPa、地点Bは17.1hPa、地点Cは13.8hPaであることから最も少ないのは地点Cであることがわかります。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(b)

(a)に関連して、大気に含まれる単位体積あたりの水蒸気量が最も多いのは地点Bであることがわかりますので、本文の内容は誤りということになります。

 

(c)

最後に、「相対湿度が最も低いのは、」とあります。各地点を比較しますと、地点Aは70%、地点Bは54%、地点Cは59%という結果になりましたので、最も低いのは地点Bであることがわかります。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

よって、正解は(b)のみ誤りで②ということになります。

 

では。バイバイ

 

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