こんばんは。半月

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第59回試験・実技試験2


 

今回は、図2の強風帯と灰色の実線で描かれているトラフについて、12時間後と24時間後の予想位置を5280mの等高度線との交点の経度で解答せよ、という内容の問題です。第59回試験を受験された方におかれましては、今回のトラフ解析は難しく感じた方がいらっしゃるかもしれません。

 

まず、問1(3)②のおさらいになりますが、初期時刻の日本海中部および対馬海峡の低気圧のいずれも、12時間後から24時間後にかけての発達に最も関連する強風帯は、強風帯aということでした。これは、2つの低気圧の発達において、図2の灰色の実線で示されている500hPaトラフが大きく寄与していることにも関連しています。

 

次に、問2(1)の①②③の全体を読んでみますと、後日採り上げる③の問題文に「24時間後に閉塞状態にあるのは図1のどこに位置する低気圧か」とあります。つまり、24時間後には初期時刻に日本海中部あるいは対馬海峡付近ある低気圧のいずれかの低気圧中心と24時間後に予想される500hPaトラフとを結ぶ気圧の谷の軸が鉛直となることを意味しており、解析のヒントになります。

 

次にトラフの解析方法についてですが、基本的に等高度線の曲率の大きな部分に解析をするのですが、今回の問題の場合、これだけに捉われてしまいますと間違えてしまいます。等高度線の曲率が大きな部分が不明瞭である場合もそうなんですが、解析の要点の一つとして、正渦度の極値を含む正渦度の強い領域、具体的には500hPa予想図における破線で示されている等渦度線を読み取って正渦度の強い領域に沿って解析を行う作業が大切になってきます。

 

以上を踏まえて図7の12時間後の予想図から考えてみます。

 

 

 

初期時刻の日本海中部および対馬海峡の低気圧中心は、図7(下)の地上予想図から青の×印で転写しています。また、5280mの等高度線は緑色でなぞっている線になります。トラフは正渦度の最も大きい領域に着目して、北東-南西の走向に延びる鞍部に沿って極大値-231×10-6/sに至るように解析しますと、概ね上図のように描かれます。このトラフと5280mの等高度線との交点の経度を見ますと、僕の場合、東経125°となりました。したがって、

 

12時間後:東経125°

なお気象業務支援センター解答例は読み取りの誤差を考慮して、東経126°、東経127°も正解としています。

 

 

同様に図8の24時間予想図についてもトラフを解析します。テクニックになりますが、問2(1)③の問題文をヒントにトラフとなる正渦度の大きい領域を探しますと、日本海中部の低気圧中心の南側に正渦度極大域が北から南西方向に細長く延びており、鞍部に沿って解析されます。解析されたトラフと5280mの等高度線との交点の経度は東経136°となりました。したがって、

 

24時間後:東経136°

なお気象業務支援センター解答例は読み取りの誤差を考慮して、東経137°、東経138°も正解としています。

 

では。バイバイ

 

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