こんばんは。流れ星

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第59回試験・実技試験1

今回は、本文を読みながら、空欄に入る適切な語句もしくは数値を考えてみます。

 

(第1段落)

まず、「図1によると、黄海には1008hPaの低気圧があって(①)ノットの速さで(②)に進んでいる。」とあります。低気圧の中心の北東側にある、進行方向を表わす白抜きの矢印と移動速度を表わす「30KT」を読み取ります。進行方向読み取る際は、緯線を視線に対して真横にして読み取るようにします。したがって、①は30、②は16方位で東南東、または南東も正解となっています。

 

次に、「また華中から東シナ海に停滞前線がのびており、東シナ海には前線の波動がある。一方、三陸沖には1026hPaの高気圧があって日本付近を覆っている。全般海上警報では、黄海の低気圧に対し(③)警報が発表されており、発表基準である(④)ノット以上(⑤)ノット未満の最大風速の風が吹いているか今後24時間以内に吹くと予想される。」とあります。

 

(気象庁HP より)

 

黄海の低気圧に対する海上警報ですが、中心の南東側の[GW]を読み取ります。上の表を見ますと、この記号は”GALE WARNING”すなわち、発表基準が最大風速34ノット以上48ノット未満の海上強風警報を表しています。したがって、③海上強風、④34、⑤48となります。

 

次に、「千島近海の一部と日本海、黄海、東シナ海には(⑥)警報が発表されている。」とあります。この4つの海域においてそれぞれFOG[W]の記号がありますが、これは視程0.3海里(約500m)以下の海上濃霧警報が発表されていることを表しています。したがって、⑥海上濃霧となります。

 

(第2段落)

次に、「図2によると、華中から西日本および日本海にかけて明白色の(⑦)の高い雲を含む雲域がのびている。」とあります。先日の第59回試験・専門・問9の中でも触れましたが、赤外画像においては雲頂温度が低い、すなわち雲長高度が高い雲ほど白く写り、逆に雲頂温度が高い、すなわち雲頂高度が低い雲ほど暗く写る特徴があることを考えますと、「明白色」であることから雲頂高度が高い雲であることがわかります。したがって⑦雲頂高度となります。なお気象業務支援センター解答例では「背」も意味が通ることから、⑦背も正解としています。

 

(主な雲の形の記号)

(雲量の記号)

(観測実況値の記入形式)

(気象庁HP: 知識・解説>天気図について>国際式の天気記号と記入方式 より)

 

次に、「図1によると、この雲域の一部がかかる福岡は、(⑧)を主体とする雲に覆われており、(⑨)の雲量は8分量の1である。」とあります。図1の右下の福岡の実況に着目しますと、全雲量の記号を中心に見て一番上の記号が上層雲、その下の記号が中層雲、全雲量の下の記号が下層雲を表しており、下層雲の右側にある「1」の数値は下層雲(中層雲)の雲量で、本文では下層雲の雲量を表しています。その下層雲の雲量が8分量の1しかなく、上・中層雲が観測されていることから、福岡の実況において主体となっている雲は、下枠から⑧上・中層雲となり、⑨下層雲ということになります。

 

(第3段落)

最後に、「図3(上)によると、黄海の地上低気圧のほぼ真上に500hPa面の低気圧があり、低気圧の中心付近は周辺よりも気温が(⑩)くなっている。このような特徴を持った低気圧は(⑪)と呼ばれ、中心付近および進行方向前面では、雷雨や強雨となることが多い。」とあります。図3(上)の黄海にある低気圧に着目しますと、低気圧の中心付近の気温は-27.5℃に対して、周辺の気温は北側で-22.4℃、南側で-18.4℃、南東側で-23.9℃と低気圧の中心付近が最も気温が低くなっていることがわかります。また、地上低気圧よりも上層の500hPa面の方が低気圧が明瞭であることから、このような特徴を持つ低気圧のことを、「寒冷低気圧(寒冷渦、切離低気圧)」と呼んでいます。したがって、⑩低、⑪寒冷低気圧(寒冷渦、切離低気圧)ということになります。なお、等高度線の状態に着目して上空の偏西風の蛇行が大きくなって結果、切り離されることによって形成されることから「切離低気圧」の呼び方があります。

 

では。バイバイ


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