こんばんは。夜の街

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第58回試験・実技試験2・問3(2)

前回の①の問題において、地点アと地点イのそれぞれの風速から図9を使って推算した波高の値は、地点ア:1.8m、地点イ:2.6mということでした。

 

今度は図10から実線および破線で0.5mごとに引かれている両地点における波高の予想を読み取ってみますと、地点アは3m、地点イは2.5mと読み取ることができます。したがって、この両地点のうち、波高の予想と①で求めた推算値との差が大きいのは地点ということになります。

 

では次に、なぜ地点アにこのような差が生じるのかを問題に従って風向・風速の視点から考えてみます。まず、図1の初期時刻(17日21時)の地上天気図で東シナ海の地点ア(北緯31°東経125°付近)と九州の西の地点イ(北緯31°東経129°付近)に着目しますと、等圧線の間隔から風の強さを推察して両地点とも大陸の高気圧と日本付近の高気圧の間で、等圧線の間隔の広いところに位置していることから、風が弱いと考えられます。

 

次に図1、図6(下)、図10を使って両地点の予想を時系列で追ってみますと、まず地点イでは、12時間後の18日9時においても高気圧と高気圧の間の等圧線の間隔が広いところに位置する予想となっており、風が弱い状況が変わらない予想であることから、地点イは18日9時まで風が弱い状況が続くと考えられ、図10の18日21時において地点イが北北西25ノットの風が予想されているのは12時間後の18日9時以降に風が強まると考えられます。

 

一方の地点アはどうか見てみますと、図6(下)の12時間後、18日9時では図1の状況よりも等圧線の間隔が混み合ってきており、地点アの北側では、北北西15ノットから北北西25ノットの矢羽が見られることから、初期時刻の17日21時以降すでに風が強まり始めていることがわかります。また24時間後の18日21時では地点アも北北西20ノットの風が吹いていると予想されています。

 

つまり、問題の図6に着目し、12時間後の18日9時において風向・風速の視点から理由を考えますと、地点イは18日9時までは風が弱い状態が続くためであり、地点アでは、初期時刻の17日21時以降に北北西の風が強まる予想であるため、と考えられます。したがって、45時程度でまとめますと、

 

地点イは18日9時までは風が弱く、地点アは17日21時以降、北北西の風が強まる予想のため。(45字)

 

(気象業務支援センター解答例)

地点イは18日9時まで風が弱く、地点アはそれ以前に北北西(北)の風が吹き出すと予想されるため。(47字)

ということになります。

 

では。バイバイ

 

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