こんばんは。キラキラ

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 


第58回試験・実技試験1



今回は、府県気象情報の文を読んでいきながら空欄を考えてみます。

 

(気象庁HP: 知識・解説>天気予報等で用いる用語>1日の時間細分図 より)

まず、「釧路・根室地方では、発達する低気圧の影響により、15日夜遅くから16日夕方にかけて(①)のち南西の風が非常に強くなり、」とあります。この中の「15日夜遅く」や「16日夕方」とは、1日の時間細分で何時から何時までの時間帯かを初めに知っている必要があります。「15日夜遅く」とは、15日21時〜24時までの時間帯、また「16日夕方」とは、16日15時〜18時までの時間帯のことをいいます。これを踏まえて「15日夜遅く」に該当する資料として図4(下)の釧路・根室付近に着目しますと、等圧線の走向や付近の矢羽から(①)に当てはまるのは8方位で南東と考えられます。したがって、(①)は南東、また気象業務支援センター解答例ではも正解としています。

(気象庁HP: 知識・解説>波浪・潮位>波浪表 より)


次に、「海は15日夜遅くから17日にかけて(②)となる見込みです。暴風や高波に警戒してください。」とあります。図8の4つの予想図ではこの時間帯の中でも釧路・根室地方に最も接近する時間帯にあたりますので図8から考えますと、低気圧は根室港に最も接近する16日5時の予想で中心気圧が944hPaにまで低下し、その前後の時間でも940hPa台です。この問いでは、波浪予想図のような明確な根拠を示す資料がないのが厄介なところです。波浪表と合わせて考えますと、このような海上において暴風が吹く状況が予想される場合では波は「大しけ」か「猛烈にしける」のいずれが考えられるわけですが、本文の前後の文脈から「猛烈にしける」あてはめると文が通らず、「大しけ」をあてはめると文が通ることから、(②)は「大しけ」ということになります。なお、気象業務支援センター解答例では「大しけ」のみが正解ですが、「猛烈なしけ」ならば文が通り、またその可能性も十分考えられ、個人的には正解だろうと考えるのですが…。

次に、「また、16日未明から朝にかけて(③)による低い土地の浸水に警戒してください。」とあります。「16日未明」とは16日0時〜3時、「16日朝」は16日6時〜9時の時間帯となりますので、トータルで16日0時〜9時にかけて低い土地の浸水に警戒が必要となるわけですが、これは特に図8を用いた考察で低気圧が釧路・根室地方に最も接近する時間帯に該当し、さらに天文潮位、気象潮位ともに上昇することに伴う吸い上げ効果、強い向岸風による吹き寄せ効果により高潮に警戒が必要ということになります。したがって、(③)は高潮が入ります。

次に、「さらに、15日夕方から16日明け方にかけて、低気圧の接近に伴い気温が(④)し、広い範囲で、まとまった量の(⑤)が降る見込みです。」とあります。
「15日夕方」は15日15時〜15日18時、「16日明け方」は16日3時〜16日6時ですのでトータルで15日15時から16日6時にかけてということになります。低気圧の接近に伴い、気温がどうなるかということですが、図7から問3(1)④でも考察しましたように、地上付近から700hPa付近における低気圧の中心付近では、周囲よりも高温で0℃以上になっていることがわかります。つまり2月の北海道付近において中心付近が大気下層で0℃以上の高温を伴う低気圧が接近する予想であることから、気温は上昇し、かつ降水は雨となる可能性が高いと考えられます。したがって、(④)は上昇、(⑤)はが入ります。

最後に、「山地を中心に、すでに積雪が多くなっているため、(⑤)と(⑥)による低い土地の浸水や土砂災害、河川の増水、なだれに注意してください。」とあります。山地を中心とした積雪の多い地域において、気温の上昇と雨が降りますと、特に「河川の増水」と「なだれ」とあることから融雪が起こると考えられます。したがって(⑥)は融雪が入ります。

以上で、第58回試験・実技試験1の問題は終了となります。次回からは引き続き第58回試験・実技試験2の問題に入りたいと思います。

では。バイバイ

 

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