こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第57回試験・実技試験2・問3
今回は、図12の状態曲線(エマグラム)において、この図に見られる逆転層は前線の転移層であることに関連し、28日21時における館野の転移層の上端の気圧と厚さを求めよ、という内容です。問題文だけを読みますと、ややこしいですが、解答欄を見ますと、上端の気圧(hPa)、上端の高度(m)、転移層の厚さ(hPa)、転移層の厚さ(m)をそれぞれ答えよ、という内容になっていることがわかります。
まず、上端の気圧(hPa)を求めてみます。上端の気圧につきましては目盛りが20hPaごとであることを確認して読み取ればよく、790(hPa)であることがわかります。
次に転移層の厚さ(hPa)を求めてみます。では、転移層の下端はどこかということになりますが、先ほどの上端(790hPa)よりも下層で最も気温の低い高度と考えられます。ここを気圧で読み取りますと、930hPaから940hPaのさらにその間、935hPaと読み取れます。したがって、求める厚さは下端と上端との差し引いた値ですので、
935-790=145
解答では10hPa刻みで答えよ、との指示ですので、四捨五入して150(hPa)となります。なお、気象業務支援センター解答例では140(hPa)も正解としています。
次に、上端の高度(m)を求めてみます。まず、800hPaの高度は1955m、700hPaの高度は3048m
となっています。この100hPa間の差は、
3048-1955=1093(m)
これを10mごとに比例配分しますと、その1/10ですので、10hPaあたり109.3mとなります。したがって、800hPaの1955(m)に109.3mを足し合わせた値が転移層の上端790hPaの高度になりますので、
1955+109.3=2064.3(m)
解答は10m刻みで答えよ、との指示ですので四捨五入して2060(m)ということになります。
最後に厚さ(m)を求めてみます。先ほど転移層の厚さを150hPaとしたことから、下端の気圧を940hPaとして考えてみます。900hPaの高度は991m、1000hPaの高度は131mですので、この100hPa間の差は、
991-131=860(m)
これを10mごとに比例配分しますと、その1/10ですので、10hPaあたり86mとなります。したがって、40hPaは、
86×4=344(m)
900hPaの991mより344m低いので940hPaの高度は、
991-344=647(m)
これを10m刻みに四捨五入しますと650(m)と求まります。よって、転移層の厚さは、
2060-650=1410(m)
ということになります。なお、転移層の厚さを140(hPa)とした場合も含めて気象業務支援センター解答例では、1330から1420の間の10ごとの値を正解としています。
では。