こんばんは。星

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第14回試験・専門知識

今回は、エマグラムを用いて、温度の鉛直分布から接地逆転層の高さ、1000hPaにある空気塊のを持ち上げたときの持ち上げ凝結高度、さらにそこから空気塊を500hPaまで持ち上げたとき、空気塊は周囲の空気と比べて温度が高くなるか低くなるかを判断する、という内容です。

 

今回は、本文を読みながら解答を考えてみます。まず、「この観測所においては、接地逆転層の高さは(a 980hPa  b 920hPa)に達している。」とあります。ここからは、問題を解く過程で作図した上図を見ながら考えてみます。地上付近の温度の鉛直分布に着目しますと、温度は地上から高度に連れて高くなっているところがあって、それが点Pまで続いており、点Pを境に温度が低くなっていくことがわかります。すなわち、この地上から点Pまでの高度に連れて高くなっている部分を「接地逆転層」とよんでいます。この点Pの高さを読み取りますと、980hPaであることがわかりますので(a 980hPa)が選ばれることになります。

 

次に、「1000hPaの空気塊を周囲の空気と混合しないように持ち上げた場合、持ち上げ凝結高度は、約(c 950hPa  d 900hPa)の高さとなる。」

とあります。1000hPaにおける空気塊の温度を点a、露点温度を点bとしますと、このときの空気塊は未飽和ですので、点aからは乾燥断熱線に沿って持ち上げ、点bからは等飽和混合比線に沿って持ち上げます。両方持ち上げていきますとやがて両者の交点cができ、この高さが持ち上げ凝結高度となります。この高さを読み取りますと950hPaであることがわかりますので(c 950hPa)が選ばれることになります。

 

最後に、「この空気塊を更にそのまま持ち上げて500hPaに達したと時、この空気塊の温度は周囲よりも(e 高く f 低く)なる。とあります。空気塊が持ち上げ凝結高度に達しますと、その後は湿潤断熱線に沿って上昇していきます。この湿潤断熱線に沿って空気塊を持ち上げる操作で厄介なのは、湿潤断熱線は曲線を描いていて、かつ隣どうしの湿潤断熱線の間隔が高度ともに広がっているところです。なので一般的な法としましては、例えば上図で述べますと、持ち上げ凝結高度の交点の280Kからの長さと290Kからの長さの割合を求め、高度500hPaで同じ割合のところに落とし込む、というやり方をしますが、今回の場合290Kの湿潤断熱線にごく近いことから、ほぼ290Kの湿潤断熱線に沿って持ち上げる形で対応できそうです。このようにして空気塊を500hPaに持ち上げたときの温度をd点、500hPaにおける周囲の空気の温度をe点とした場合、空気塊の温度は周囲よりも低くなっていることがわかります。したがって(f 低く)なる、ということになります。

 

よって、正解は②ということになります。

 

では。バイバイ