こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第56回試験・実技試験2・問3
(解答図)
今回は、図12において近畿地方に見られるシアーラインを解答図に記入し、さらに、記入したシアーラインが帯状エコーに対してどのような位置にあるのか解答せよ、という内容です。
まず、シアーラインの解析についての基本的な留意点として、風向が大きく変化しているところ、また風速差が顕著に見られる場合はその部分にも着目します。図12につきましては、概ね風向が南成分を含むところと、西より、または北成分を含む風の境目となるところに着目して解析できそうです。また前問の問3(3)において地点Q(奈良)を通過した時刻が9時20分(9時30分)であることに矛盾のないように留意しながら解析しますと、概ね気象業務支援センター解答例の位置にシアーラインが描かれます。
(気象業務支援センター解答例)
最後に、描画したシアーラインが帯状エコーのどのような位置にあるか、ということですが、この結果から、帯状エコーの東側の縁に沿って位置していることがわかりますので、この旨を解答すればOKです。したがって、
帯状エコーの東側の縁に沿って位置している。(21字)
(気象業務支援センター解答例)
シアーラインは帯状エコーの東縁にある。(19字)
ということになります。
以上で、第56回気象予報士試験の考察はすべて終了となります。次回から試験直前の残りの期間は、学科・実技ともに重要な「エマグラム」を採り上げる予定です。なお、昨年1月の第55回試験直前では「前線解析」について採り上げましたので、直前の知識の整理にお役立ていただければと思います。
では。