こんばんは。キラキラ

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第56回試験・実技試験1・問4

今回は、前問の問4(1)の強雨域の形状の特徴に関連して、図10の気象衛星赤外画像では雲域で見たところ形状にやや違いがみられ、上層雲の幅が強雨域よりも広くなっていることについて、強雨域の雲の上端が到達する高さに着目して、上層雲の幅が広がる理由を述べよ、という問題です。

 

 

(気象庁HP: 積乱雲って どんな雲? より)

 

まず、赤外画像では、気象衛星で観測された地球放射を輝度温度に変換させ、輝度温度が低いほど白く、輝度温度が高いほど黒く表現されています。図10のAにおける楕円で囲った範囲に着目しますと、図9の強雨域と形状は似ていますが、問題文にもあります通り、強雨域よりも幅が広くなっており、雲域の輝度温度が低いために白く写っていることから、雲の高さは気温の低い対流圏上層に達しており、上層雲の幅が広がっている特徴があり、かつ強雨域を伴っていることから、この雲は積乱雲であると考えられます。

 

次に、上層雲の幅が強雨域よりも広がる理由を考えてみます。ここからは、一般気象学p22の図2.1「温度の高度分布と大気層の区分」を見ながら考えてみたいのですが、積乱雲を発達させる空気塊は対流圏の中では周囲の空気よりも温度が高いため、上昇しながら雲を作り続けることができるのですが、やがて対流圏界面に達しますと、下部成層圏において周囲の空気の温度が今度は上昇に転じることから、空気塊は周囲の空気の温度よりも低い状態になるため上昇が抑制されてしまいます。したがって、空気塊は対流圏界面付近で上層雲を伴って水平に広がるしか行き場がなくなることになります。解答では、積乱雲が発達して対流圏界面付近に達したため、水平に広がる、といった主旨を書けばよいと考えています。したがって、

 

積乱雲が発達して対流圏界面に達したため、水平に広がっている。(30字)

 

(気象業務支援センター解答例)

積乱雲が圏界面まで発達し、その付近で雲が水平に広がるため。(29字)

 

ということになります。

 

では。バイバイ