こんばんは。星空

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第56回試験・専門知識

今回の専門知識は、地上気象観測から、降水量の観測及び雨量計のしくみなどについての問題です。早速、(a)から見ていきます。

 

(a)

気象庁の「気象観測の手引き」p4によりますと、降水量とは、「ある時間内に降った雨・雪などの量であり、降水が流れ去らずに地表面上を覆っ たとしたときの水の深さ(雪などの固形降水の場合は溶かして水としたときの深さ)で表す。また、単位時間あたりの雨や雪の量を降水(降雨)強度という。」と定義されています。

 

実際に降水量の観測に使用されている「転倒ます型雨量計」ではヒーターが内蔵されているものがあり、受水器に入ってきた雪などを温めて溶かす仕組みになっています。したがって、本文は、「降水量」の定義の文がそのまま書かれていますので、正しいということになります。

 

(b)

(気象庁HP:雨量計/観測の原理 転倒ます型雨量計の構造 より)

 

アメダスでの降水量の観測には先ほどの(a)でも触れましたが、「転倒ます型雨量計」が用いられています。降水は受水器に入りますと、金網を置いた漏斗から濾水器を通って、一方の転倒ますに入り、降水量0.5mmに相当する水が溜まると「ししおどし」のように、重心が支点の反対方向に移動して、ますが転倒して排水します。このときにリードスイッチが作動してパルスを発生させ、この回数を計測することにより降水量が求められます。例えば、1時間に転倒ますが5回転倒しますと降水量は2.5mm/hとなるわけです。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

降水量の観測において、近くに建物や高い樹木などがあるような環境では、それらによる局地的な風の乱れによって雨滴や雪片の捕捉率が下がり、観測精度が低下してしまします。前出の「気象観測の手引き」p6では、雨量計を設置する際、「近くに建物がある場合は,建物による局地的な風の乱れの影響を防ぐため,その高さの少なくと も2倍以上,できれば4倍以上離れた位置に設置する。」としています。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(d)

夏季にひょうが降り積もるケースが稀にあります。このような場合も「積雪」にあたるのでは?と思った方は多いのではないかと思います。「気象観測の手引き」p4では積雪について、「雪などの固形降水物が自然に積もって地面を覆っている状態を積雪といい,その深さを 積雪深又は積雪の深さという。ただし,夏季のひょうや氷あられは積もっても積雪とはいわない。」と定義されており、夏季のひょうや氷あられは積もっても積雪としない、としています。したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

よって正解は、(d)のみ誤りで④ということになります。

 

では。バイバイ