こんばんは。三日月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第10回試験・一般知識

(受験時代のノートより)

 

(a)

地衡風とは気圧傾度力とコリオリ力が釣り合っているときに吹く風のことをいいます。すなわち、気圧傾度力をPn、コリオリ力はコリオリパラメータ×風速で表されますので、コリオリパラメータをf、風速をVとしますと、

 

Pn = fV…(1)

 

で表すことができます。(1)式において左辺のPnが変化しますと、この等式を維持するためには右辺のコリオリ力も同じ割合で変化することになるわけですが、同じ緯度であるならば f の値は一定ですので、残りのVが変化することになります。すなわち「地衡風の速さは気圧傾度力に比例する。」ことがわかります。したがって。本文の内容は正しいということになります。

 

(b)

コリオリ力は先ほども書きましたが、コリオリパラメータ×風速、すなわち fV で表されることから、風速すなわち地衡風の速さに比例することがわかります。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

次は、緯度の異なる2地点において、気圧傾度力が同じ場合、地衡風の速さはどうなるのか、ということですが、これは(1)式より異なる2地点のfVが左辺のPnと同じ値を取ることを意味しています。ここでコリオリパラメータ f を緯度を使って表現します。地球の自転の角速度をΩとしますと、

 

f = 2Ωsinφ…(2)

 

で表現されます。さらに(2)式よりコリオリ力Cは、

 

C = 2Ωsinφ・V…(3)

 

と表現することができます。これを踏まえて、簡単のため、低緯度側を北緯30°、高緯度側を北緯60°として考えてみます。低緯度側は、

sin30°= 0.5、一方の高緯度側は、sin60°= 0.85となりますので、コリオリパラメータ f の値は高緯度側の方が大きくなることがわかります。

 

両者の気圧傾度力が同じということは、低緯度側のコリオリ力と高緯度側のコリオリ力との間にも等式が成り立つということでもありますので、高緯度側のコリオリ力が低緯度側のコリオリ力と等しくするためには、風速Vが小さくなる必要があります。すなわち地衡風の速さは高緯度ほど小さい、となります。したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

(d)

最後は、緯度の異なる2地点で同じ速さの地衡風が吹いている場合、高緯度ほどコリオリ力はどうなるのか、ということですが、(3)式より、右辺のVは一定にするということですので、コリオリパラメータに着目しますと、先ほどの(c)で書きました通り、高緯度ほどコリオリパラメータの値は大きくなります。したがって、コリオリ力は高緯度ほど大きくなることはわかります。したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

よって、正解は(c)のみ誤りで③ということになります。

 

では。バイバイ