こんばんは。キラキラ

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・実技試験2・問1

今回は、図2(下)の300hPaの強風軸と図3の気象衛星画像のうちの水蒸気画像について、北側にある強風軸と、水蒸気画像の暗域との位置関係を述べよ、という問題です。

 

まず、問1(1)の考察では具体的に触れていませんでしたが、300hPa面の強風軸について改めて見てみます。300hPa天気図には等風速線が破線で描かれています。強風軸は風速の大きい領域が突き出していて尾根になっている部分に着目して解析をするのですが、北側は問1(1)で触れた強風軸で黄海の低気圧を囲むように蛇行していることがわかります。この他にはその南側にもう1本、華南から沖縄付近を通る強風軸が解析され、問題では、これらの2本の強風軸のうちの北側の強風軸と水蒸気画像の暗域との位置関係はどうなっているか問われています。

 

次に、水蒸気画像について、専門知識の内容を振り返ってみます。水蒸気画像は波長6.5μm~7.0μmの赤外線を観測して対流圏中・上層において水蒸気量の多寡の分布を判別する気象衛星画像をいいます。対流圏中・上層の水蒸気量が多い領域になるほど白く写り、この領域を「明域」とよび、少ない領域になるほど乾燥した領域を表わし、この領域を「暗域」とよんでいます。

 

そこで北側の強風軸と水蒸気画像を見比べてみます。一般的に水蒸気画像による強風軸の判別は北側に暗域、南側に明域になっている境界に対応しておりこの境界のことを「バウンダリー」とよんでいます。この北側の強風軸も明域と暗域の境界にほぼ同じ位置にあることがわかります。

 

解答では「暗域との位置関係」という指示に注意して20字程度で、

 

強風軸は、暗域とほぼ同じところに位置している。(23字)

 

(気象業務支援センター解答例)

暗域は、強風軸とほぼ同じ位置にある。

 

ということになります。

 

では。バイバイ