こんばんは。半月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・実技試験2・問1

今回は、図3の気象衛星画像のうち、赤外画像を用い、黄海の地上低気圧の中心とその周辺の雲域の特徴を、雲頂高度と雲域の分布に言及して述べよ、ということで考えてみます。

 

この黄海の地上低気圧について問1(1)では本文の第2段落の最後に、「黄海の低気圧の中心付近の気温が周りと比較して低くなっており、このような低気圧は寒冷低気圧(寒冷渦)と呼ばれている。」ということでした。この問題はすなわち、寒冷低気圧では一般的に中心から見てどこにどのような雲が発生しやすいか、専門知識で学習するその特徴と理由の理解を基に、あとは図1と図3の赤外画像を見比べながら指示に従って解答すればよいことになります。

 

寒冷低気圧は図2とあわせて見ますとわかりやすいですが、上層に周囲と比べて強い寒気を伴っています。したがって、大気の成層状態が不安定になりやすい状況にあります。一方、寒冷低気圧の東~南側(「南東象限」ということもあります。)には下層に暖湿な空気が流れ込みやすく、そのため大気の鉛直安定度が小さくなり、これに伴う対流活動により積乱雲が発生し、強雨・雷・降ひょう・竜巻などの突風が起こりやすくなります。このような雲は対流圏界面付近まで達することから雲頂温度が低く、赤外画像では白く表現されます。

 

これを踏まえて図3の赤外画像を見ながら、問題について整理しますと、まず朝鮮半島の南西にある低気圧の中心付近では暗灰色の雲域が見られることから、雲頂高度の低い雲が主に分布していることがわかります。

 

次に、周辺の雲域に着目しますと、中心の東から南東にかけて白い雲域が団塊状に並んで分布していることから、中心の東~南東にかけて団塊状の雲頂高度が高い雲域が分布していることがわかります。以上を45字程度にまとめますと、

 

地上低気圧の中心付近の雲は雲頂高度が低く、その東~南東側には団塊状で雲頂高度の高い雲が並んでいる。(49字)

 

(気象業務支援センター解答例)

地上低気圧の中心付近では雲頂高度が低く、中心の東側では雲頂の高い雲が南北に連なって(並んで)いる。(44字)

 

ということになります。

 

では。バイバイ