こんばんは。半月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・実技試験1・問2

まず初めは、新潟付近に見られる閉じた等温線の値を答えよ、ということで読み取ってみます。850hPa面の等温線は3℃ごとに引かれています。大東諸島付近に12℃、朝鮮半島の東岸付近に-6℃で極側ほど気温が低くなっていますのでこれらの数値を参考に、3℃ごとに気温を追っていけばOKです。四国から北陸で屈曲して東海地方に延びている等温線は9℃ですが、新潟付近では、6℃と9℃の等温線の間に独立して閉じた等温線があり、周囲よりも高温の領域となっていることがわかります。したがって、この閉じた等温線も9℃ということになります。

 

次に850hPa面の前線の解析を考えてみます。850hPa面の温度分布から前線を解析する場合は基本的に等温線集中帯の南縁に着目します。今回は850hPa面の前線解析ですのでこれに沿う形になります。地上の前線解析ですと、850hPa面の前線よりも寒冷前線で約1°程度、温暖前線では約2°程度暖気側で、地上の風向や気圧の谷も参考にしながらずらして位置を決めるのですが、その必要はありません。

 

 

寒冷前線では、地上中心よりも少し北側、南西40ノットの矢羽の根元が暖気側になるようにしてスタートさせ、9℃の等温線に沿う形で南西へ延ばしていきます。解答図の図枠まで700hPa上昇流域が続いていますので図枠いっぱいまで延ばしてOKです。気象業務支援センター解答例ではほぼまっすぐ描かれていますが、九州の南東付近で9℃および6℃の等温線がやや北西側に屈曲しており、キンクが存在していることも考えられますので、キンクを解析しても正答であろうと考えています。

 

温暖前線では、先ほど寒冷前線をスタートさせた地上中心の少し北側から6℃の等温線に沿う形で描いていきます。どこまで延ばしていけばよいのか少し悩みましたが、日本の東で3℃と6℃の等温線の間隔が開き始めるところで止めました。気象業務支援センター解答例ではもう少し東に延ばしています。あとは前線記号を忘れずに記入すれば完成です。

 

前線解析の場合は個人により若干の違いが出てきますが、この問題で押さえておくべき要点は、寒冷前線では等温線集中帯南縁の9℃の等温線にほぼ沿う形、温暖前線では同じく等温線集中帯南縁の6℃の等温線に沿って、暖気側で南寄りの風、寒気側で北寄りの風になるように、あとは700hPa上昇流域内であることに矛盾点がなく、指示通り前線記号が付されていれば正答が得られると考えています。

 

(気象業務支援センター解答例)

ということになります。

 

では。バイバイ