こんばんは。やや欠け月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・実技試験1・問1(4)

今回は、これまでの考察で見てきましたオサン(韓国)における8日9時(図5)の逆転層上端の高度が3039mであることがわかっており、この時刻に対馬海峡にある低気圧(図14)に伴う前線について地上低気圧の中心~オサン間の平均の勾配の大きさを1/Fで表すときの分母Fにあたる数値を答えよ、という問題です。

 

すなわち、底辺の長さが地上低気圧の中心~オサンまでの距離、高さが逆転層上端の高度の3039mとした直角三角形と見立てた場合、その斜辺の勾配の大きさを1/Fで表すときの分母にあたるFの値はいくらか、ということになります。

 

天気図では地形図とは違い、距離を示すスケールは示されていませんが、このような何らかの形で図上で距離を測って、実際の距離を求める問題は実技試験でよくあります。そこでどうするのか、実際に求めてみます。

 

この問題でまず求める要素は、先ほどの底辺の長さにあたる地上低気圧の中心~オサンまでの距離になりますが、図1の図上で測りますと15㎜となります。次に、「距離を示すスケール」となる目安の長さがあります。「緯度10°」の長さです。緯度10°の長さは覚えておきましょう。

 

緯度10°=600海里=1.852(km)×600≒1111(km)

 

となります。ただし、1111(km)ですと計算しにくい場合が多いですので、1100(km)としてもOKです。図1の図上ではいくらになるか測りますと、37㎜となります。これによって次の式がなりたちます。すなわち、

 

37:15=1100:X

 

あとは「内項の積=外項の積」の関係を利用しますとX、つまり地上低気圧の中心~オサンまでの実際の距離が求められます。

 

1100×15=16500   16500÷37≒446(km)=446000(m)

 

となります。

 

あとは、底辺の長さから高さを割って勾配を求めます。

 

3039 / 446000 ≒ 1/ 147  

 

すなわち分母Fは、

 

F=147  解答は10の倍数ですので1の位を四捨五入して

 

F=150

 

ということになります。

 

では。バイバイ