こんばんは。流れ星

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・専門知識

(気象庁HP: 大気海洋部 「2020年の台風について(確定)」 2021.03.10 より)

 

今回の問題は、地方別の台風接近数の月別平年値のグラフを基にA、B、Cに当てはまる地方の組み合わせとして正しいものを選ぶ、というものですが、解くにあたりグラフから読み取れる最もわかりやすい着目点は接近数のピークがいつ頃かという点です。

 

具体的には、Aと四国地方は8月中旬でピークになっており、BとCが9月中旬でピークになっていることがわかります。このことから、接近数のピークに時期の差を生じさせているのは何か、ここからは気象庁の資料も見ながら考えてみます。

 

まずAと四国地方では8月中旬で接近数のピークになっているわけですが、この時期に接近した台風の経路を見ますと、中心が概ね沖縄付近に接近・通過している台風が多く、このことから沖縄・九州北部・四国の各地方でピークになったものと考えられます。Aの選択肢は「沖縄地方」か「伊豆諸島および小笠原諸島」のいずれかになっていますが、以上の考察より、沖縄地方であると考えられます。

 

したがって、Aは、「沖縄地方」ということになります。

 

次に、B、Cの接近数のピークは9月中旬になっているわけですが、この時期に日本付近へ接近・通過した台風の経路を見ますと、先ほどの8月中旬と比べて、概ね東よりに経路がズレていることがわかります。このことから、ピークの時期を生じさせている要因は、太平洋高気圧の勢力に関係しているのではないか、ということが見えてきます。

 

夏を過ぎて秋に近づきますと、太平洋高気圧は次第に東へ後退しながら日本付近への勢力が弱まっていきます。そのため太平洋高気圧の縁辺に沿って進む台風はこれに伴って沖縄・九州北部・四国に接近・通過していたときよりも東よりのコースを進むと考えられます。

 

そこで、Aが沖縄地方であることがわかりましたので、①~③のB、Cの組み合わせを見ますと、このうちの①と③のC、「九州北部地方」が入っているのは、この考察とは当てはまらないと考えられます。

 

したがって、Bは「伊豆諸島および小笠原諸島」、Cは「関東地方および甲信地方」とする②が正解ということになります。

 

では。バイバイ