こんばんは。三日月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・専門知識

(a)

まず本文では、日本海北部の低気圧に伴う雲域について、「中心付近には中下層の雲渦がみられ、その北側にはバルジ状の厚い雲域がある。」とあります。文の後半にある「バルジ状の厚い雲域」が存在していることから、日本海北部の低気圧は発達期またはそれ以降の閉塞期(最盛期)のいずれかに絞られてきます。

 

さらに、今度は水蒸気画像に着目しますとわかりやすいのですが、低気圧の中心に向かってその後面から暗域が入り込んでいる、すなわちこのことから乾燥した空気が流れ込んでいることが読み取れ、低気圧が閉塞期(最盛期)にあることを示唆しています。このように閉塞期の温帯低気圧において、後面から中心付近へ入り込む空気の乾燥した領域のことを「ドライスロット」とよんでいます。

 

したがって、「すでに閉塞している」が入ります。

 

(b)

次に、三陸沖の低気圧について、その中心はどの付近にあるか、ということですが、気象衛星画像で低気圧の中心を探す場合、雲域の縁に着目し、高気圧性曲率(時計回り)をもつ雲域の縁と、低気圧性曲率(反時計回り)をもつ雲域の縁との境目になっているところ、つまり変曲点の付近に対応していることが多いです。この変曲点を「フック」とよび、このフックをもつ雲域の形状を「フックパターン」とよんでいます。

 

そこで、設問では北緯41°であることはすでに分かっていますので、東経の空欄は143°か146°のいずれかということですが、学習を始められた方で緯度・経度の読み取りに慣れていないという方は、秋田県の八郎潟付近が北緯40°東経140°ですのでここを基準にするとわかりやすいかと思います。もしフックの位置が緯度・経度とも空欄ですと読み取りは少し難しいですが、経度が東経143°か東経146°かですので、東経146°であることがわかります。

 

したがって、「146」が入ります。

 

(c)

(気象衛星センターHP:衛星画像の特徴的パターン「Ciストリーク」より)

 

本文では、「上空の強風軸に対応している。」とあります。いずれの画像からは、華中方面から日本の南海上にかけて薄い雲が延びています。このことからこの雲は「Ci(シーラス)ストリーク」であることがわかります。Ci(シーラス)とは巻雲を意味します。

 

(気象衛星センターHP:衛星画像の特徴的パターン「クラウドクラスター 2016年6月20日12UTCのバンド13による赤外画像」より)

 

ちなみに独立している積乱雲が、集合して巨大な塊を形成することがあり、この塊をクラウドクラスターあるいはCbクラスター、積乱雲群とよんでいます。

 

したがって、「Ciストリーク」が入ります。

 

よって、正解は、③ということになります。

 

では。バイバイ