こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第55回試験・専門知識
(a)
温暖前線の模式図とある任意の地点Aにおけるエマグラム(状態曲線)を載せてみました。温暖前線では、寒気の上を暖気が滑昇している構造をしていますが、寒気の上にいきなり暖気があるわけではなく、接している部分には転移層(遷移層)という部分があります。この部分の温度分布はどうなっているかを右側の地点Aにおけるエマグラムで見ますと、下層では寒気、上層では暖気がありますので、高度が高くなるにつれて温度が高くなっている層となっており、成層が安定していることがわかります。この成層が安定している気層を「逆転層」または逆転層や等温層を一括りにして「安定層」とよんでいます。
したがって、「不安定」とする本文の内容は誤りということになります。
(b)
寒冷前線も温暖前線もそうなんですが、転移層(遷移層)の暖気側が地上と接するところを前線としています。
したがって、本文の内容は誤りということになります。
(c)
本文にあります通り、温暖前線の傾きは寒冷前線面より緩やかで気塊がゆっくり上昇しますので温暖前線面上では乱層雲といった層状性の雨雲が形成されて地雨性の降水が続くことが多いです。
したがって、本文の内容は正しいということになります。
(d)
温暖前線のすぐ北側にある地点では暖気移流が見られますので高度があがるとともに風向は時計回りに変化しています。
したがって、本文の内容は正しいということになります。
よって。正解は④ということになります。
では。