こんばんは。やや欠け月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第55回試験・専門知識

(a)

数値予報モデルは、本文にありますように、予報領域に応じたモデルに用いる時間間隔(ステップ:「タイムステップ」・「積分時間間隔」ともいいます。)ごとに大気の状態の計算を繰り返して将来の状態を予測するという構造になっています。気象庁の現業における数値予報モデルの仕様では、全球モデル(格子間隔20km)で400秒(6分40秒)、メソモデル(格子間隔5km)で20秒となっています。

 

したがって、下線部の内容は誤りということになります。

 

(b)

4次元変分法とは客観解析において、数値予報モデルで用いられている物理法則、例えば、静力学平衡の式や気体の状態方程式などを活用して、空間的・時間的に広範囲かつ様々な種類の観測データを取り込むことによって、より精度の高い解析値を作成する手法をいいます。

 

例えば気象衛星観測、気象レーダー観測、ウィンドプロファイラ観測などで得られる連続した観測値を有効に利用することによって予報誤差をより小さくできるできるようになっています。

 

したがって、下線部の内容は正しいということになります。

 

(c)

メソモデルは予報領域が日本列島とその周辺に限定されているモデルです。こうした地球上の一部に予報領域が限定されたモデルでは、予報領域の境界の情報が必要なため、そのモデルよりも広い予報領域をもつ別のモデル、すなわちメソモデルですと、それより予報領域の広い、全球モデルの予報値が使用されることになります。そのため、予報時間が進むに従って 予報領域の境界を通った擾乱が内側領域に進んで、より広い領域で全球モデルの予測に強く影響され、メソモデルの性能が発揮されなくなり予報時間が長くなるほど大きくなります。

 

したがって、下線部の内容は誤りということになります。

 

【参考文献】気象庁数値予報課 :平成24年度 数値予報研修テキスト p57 第1部 数値予報の基礎知識 第6章 プロダクト利用上の注意点

 

(d)

メソモデルの格子間隔は5kmですが、これでも個々の積雲の振る舞いを表現するには十分な分解能ではありません。しかし積雲対流のような分解能以下(サブグリッドスケール)の現象は格子点値に影響を及ぼし、予報精度にも影響を及ぼします。そこでサブグリッドスケールの現象が格子点値に及ぼす集団効果を見積もって格子点値に反映させる作業を「パラメタリゼーション」とよんでいます。

 

したがって、メソモデルでは積雲対流パラメタリゼーションを用いていますので下線部の内容は誤りということになります。

 

よって正解は(b)のみ正しく、②ということになります。

 

では。バイバイ