こんばんは。星空

 



早速ですが、考えてみたいと思います。


第34回試験・実技1・問3



今回は図8の2009年7月14日21時を初期時刻とした12時間後と24時間後の相当温位・風の予想図を使って前線の解析を行なっていきます。まず①として24時間後の15日21時における850hPa面の前線の位置を解答図の太線で囲った枠内に前線記号を付して描画せよ、という指示になっていることを念頭に置いておきます。


この設問の主題は停滞前線ですが、初めに解析するにあたって低気圧が閉塞しているか検討します。低気圧の中心は、風が反時計回りに循環しているところの中心付近にあると推定されます。図8(下)の風の分布に着目しますと、北緯46°東経140°付近にあると考えられすでに解答図には×印で記されています。次に相当温位の分布を見ますと、高相当温位の気流の突っ込みの先端部(北緯47°東経143°付近)は低気圧の中心位置から見て前方、すなわち東側にあることからこの付近に閉塞点が存在し、低気圧は閉塞過程にあることがわかります。

 

次に、この閉塞前線が「温暖型」か「寒冷型」かを判断します。閉塞前線を挟んで赤道側と極側の相当温位分布を見てみますと、赤道側では赤色で塗ったあたりで330K~336K、極側では青色で塗ったあたりで315K~330Kになっており、赤道側の寒気の方が相対的に相当温位が高いことから温暖型閉塞前線であることがわかります。


図8(下)では、等相当温位集中帯付近において明瞭な風向シアーが認められませんので前線解析の決め手となる気象要素分布は、ここで②の解答になりますが、等相当温位集中帯の暖気側または南縁といった解答になります。

 

次に、閉塞点から南~南西に延びている前線について、今回の本題であります停滞前線はどこからが停滞前線なのかを考えてみます。わかりやすくするために12時間後の15日9時の予想図に重ねてみました。これによりますと、等相当温位集中帯、あるいは前線の位置が東経130°以西では15日9時~15日21時にかけてほとんど変化しない予想であることがわかります。したがって、東経130°付近を境に以東は寒冷前線、以西は停滞前線で解析します。よって、

 

(気象業務支援センター解答例)

 

ということになります。

 

では。バイバイ