こんばんは。星

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第54回試験・実技2

今回の問3(1)は図13の大牟田における気象要素の時系列図、および図14のアメダス実況図を用いて大牟田における25日の気象経過について述べた文を穴埋めしていく問題になります。それでは第1段落から文を読み下しながら考えてみます。

 

(第1段落)

「大牟田では、台風の再接近前はおおむね(①)の風が吹き、」ということで、図13の時系列図のいちばん上の風向についての折れ線グラフを見ますと、25日3時00分から6時20分までは概ねEとNの間、すなわち北東の風で推移していることがわかります。また図14のアメダス実況図の大牟田に着目しますと、25日5時及び25日6時とも、概ね北東の風になっていることがわかります。①は8方位での解答の指示になっていますので、したがって①は北東となります。

 

次に、「(②)時頃から瞬間風速が断続的に20m/hを超えるようになった。」ということで、図13の時系列図の上から3番目の瞬間風速の折れ線グラフを見てみます。時系列図では、風速も10分間降水量も気温も同じスケールになっていることを確認して、25日3時から推移を追っていきますと、最初に瞬間風速が20m/sを超えるところが、25日5時00分であることがわかります。②は整数値での解答の指示ですので、したがって②は5となります。

 

その次は、「雨も次第に強まり、最大10分間降水量は(③)mm、最大1時間降水量は(④)mmに達する(⑤)雨となった。」とあります。図13の時系列図のいちばん下、10分間降水量の棒グラフを見てみます。まず、10分間降水量で最大になっているところは、25日5時50分~6時00分の10分間であることがわかりますので、その値を0.5mm刻みで読み取りますと19.5mmであることがわかります。したがって、③は0.5mm刻みでの解答の指示ですので、③は19.5となります。次に最大1時間降水量は、③で解答した19.5mmが含まれるのは確実ですので、これを含んだ6つの10分間降水量が最大となるのは、5時00分~6時00分か、5時10分~6時10分のいずれかになりますが、これは視覚的にすぐ5時10分~6時10分の1時間とわかります。あとはその6つの10分間降水量をそれぞれ読み取って合計を出せばよいことになります。したがって、④も③と同じく0.5mm刻みでの解答の指示ですので、4.5+7.0+10.5+13.0+19.5+7.0=61.5(mm)となります。この④の結果を受けて⑤は下枠の中のどの階級にあたるか、という問いで第1段落を締めくくっています。

 

(気象庁HP: リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」 より)

 

④は61.5mmであることがわかりましたがこれが⑤の下枠のどの階級にあたるかは、上表などで覚えるしかありません。したがって表より、⑤非常に激しい雨の階級となります。

 

(第2段落)

まず「(⑥)に風向が大きく変わり、10分間平均風速が約(⑦)m/sにまで弱まった。」とあります。先ほどの①では、3時00分~6時20分までは概ね北東の風と読み取りましたが、その後の6時30分では、西の風に急変していることが読み取れます。したがって、⑥は時刻を10分刻みで解答する指示ですので、⑥6時30分となります。続いて下から2番目の平均風速の折れ線グラフを見ますと、平均風速は6時00分の12m/sを境に弱まり、⑥で解答した6時30分に最も弱くなり4m/sとなっていることがわかります。したがって、⑦は整数値で解答する指示ですので、⑦4となります。

 

次に、「その後も風向は(⑧)に変化し、7時50分から3時間近くは(⑨)の風が続いた。」とあります。これまでの風向についての考察では最初は概ね北東の風から6時30分には西に急変し、その後は次第に南西へと変わって7時50分から3時間近くは南南西の風が続くという推移になっていますので⑧の下枠から、⑧反時計回りに変化していることがわかります。また⑨は16方位での解答の指示ですので、⑨南南西の風が続いた、となります。

 

(第3段落)

「以上の気象経過から、台風の中心は大牟田の(⑩)側を通過したとみられ、」とあります。

先ほどの⑧の考察で大牟田では、25日3時00分から、時間の経過とともに反時計回りに変化していることがわかりました。この結果から台風は大牟田から見て⑩の下枠の東・西のどちら側を通過したのか、ということでこれを求める方法として、上図に挙げましたが、風向の変化によってある地点から見た台風や急発達した低気圧などの擾乱の動いた経路を求める方法をご紹介しておきたいと思います。試験本番でも簡単に書けますので迷ったときは便利です。今回の大牟田では反時計回りに変化していますので図の地点Aの方にあたります。つまり台風は大牟田の東側を通過したことがわかります。なお、もし地点Bのように風向が時計回りに変化した場合ですと、擾乱は西側を通過したことになりますし、風向が通過前と通過後で真逆に変化する場合はある地点のほぼ真上を通過したということがわかります。したがって、⑩はとなります。

 

次に、「大牟田に最も接近した時刻は(⑪)である。」とあります。第2段落の考察に関連して、⑥で概ね北西の風だったのが6時30分には西に急変したこと、平均風速が10m/sを超えるところから急激に弱まり、同じく6時30分には4m/sとなって以後は再び強まっていること、さらには瞬間風速でも平均風速と同様の傾向になっていることから、台風が大牟田に最も接近した時刻は6時30分であると推定されます。したがって、⑪は時刻を10分刻みで解答する指示ですので、⑪6時30分となります。

 

続いて、「最接近の前後を比較すると、大牟田の風は台風の通過前より通過後の吹き返しの方が⑫、」とあります。⑪において大牟田に最接近した時刻が6時30分であることがわかりましたのでこの時刻を境に通過前と通過後の風速を比較しますと、まず図14で通過前の5時と6時の大牟田の風速は11m/sと12m/sで、通過後の7時と8時の風速は10m/sと8m/sとなっていますので弱まっていることがわかります。図13の平均風速の折れ線グラフにおきましても通過前に比べて通過後の吹き返しの方が弱くなっていることがわかります。したがって、⑫は⑫⑬の下枠から、⑫弱くとなります。

 

続いて、「雨は通過後の方が(⑬)、」とあります。通過後の6時30分以降の10分間降水量を見てみますと、降水は10時10分まで断続的に観測されていますが、通過前の最大10分間降水量は③の19.5mmに対して通過後は最大でも10時00分~10時10分の2.5mmですので弱くなったことがわかります。したがって、⑫⑬の下枠から、⑬弱くとなります。

 

最後に、「気温は通過前の方がやや(⑭)かった。」と結んでいます。図13の上から2番目の気温の折れ線グラフに着目しますと、6時30分の通過前では気温が24℃から通過直前に25℃に若干上昇しているのに対し、通過後では24℃を下回る気温が続いていることから、通過前の方がやや高かったことがわかります。したがって、⑭の下枠から、やや⑭かった、となります。

 

今回は長くなりましたが、以上となります。

 

では。バイバイ