こんばんは。夜の街

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第54回試験・実技2・問2


今回は、図8(上)の25日21時に見られる紀伊半島から四国にかけて表現されている降水域について、降水量が多くなると予想される2つの暖湿空気に関わる要因をいずれも「暖湿空気が、」の書き出しに続けて、書き出しを含む25字程度で述べよという問題です。

前問の問2(3)で温暖前線を解析しましたが、温暖前線の前面では348Kから最大357Kの高い相当温位を伴う暖湿空気が強い南から南西の風となっているのに対し、温暖前線の後面では、相対的に弱い南東の風となっていることから、この温暖前線付近で風が収束して多くの水蒸気を含む空気が上昇することで降水域を形成する一つの要因となっていると考えられます。したがって、1つ目の要因は、

(要因1)暖湿空気が、温暖前線付近で風の収束によって上昇するため。(28字)

(気象業務支援センター解答例)
(要因1)暖湿空気が、温暖前線のところで収束し、上昇する。(23字)

ということになります。

次に、もう一つの要因について考えてみます。もう一つ考えられるのは、図12の地形図が大きなヒントになります。先ほども触れましたが、温暖前線前面では南から南西の風に伴って高相当温位の暖湿空気が流れ込んでいます。図12の地形図を見ますと、この暖湿空気の風向にほぼ正対するように、太平洋側の四国山地や紀伊山地があり、先ほどの一つ目の要因に加えて、これらの山地の南斜面によって下層の暖湿空気が強制上昇させられることで上昇流が強化されて降水量が多く予想となると考えられます。したがって、2つ目の要因は、

(要因2)暖湿空気が、太平洋側の山地の南斜面で強制上昇させられるため。(30字)

(気象業務支援センター解答例)
(要因2)暖湿空気が、太平洋側の南斜面にぶつかって上昇する。(25字)

ということになります。

では。バイバイ