こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第54回試験・実技1・問4(1)
今回は図5(下)の29日9時および、その12時間後の図10の21日21時における館野のエマグラムを用いて、前問の①で解答した逆転層の上端付近の気温および850hPaから地上にかけての気温を比較して、それぞれの時間変化の特徴を述べよ、という問題です。
問題文は短いですが、本文から2つの論点について解答に盛り込む必要があります。それは、
①逆転層の上端付近の気温について、この12時間の時間変化の特徴
②850hPaから地上にかけての気温について、この12時間の時間変化の特徴
となります。今回着目する要素は気温ですので、「時間変化の特徴」とは何を述べればよいのかといいますと、この12時間の間で気温が高くなったのか、低くなったのか、あるいは変化がなかったのか、比較して読み取り、その結果3つのうちのどの結果になったのかを述べればよいわけです。
まず①について29日9時の気温は1.5℃、12時間後の29日21では1℃で若干低くなっているように見えますが、ほぼ変化がないと判断することができます。
次に②につきましては、29日9時では最も低い850hPaの気温が-1℃、最も高い地上では6℃であるのに対し、12時間後の29日21時では最も低い865hPaで-3℃、最も高い地上では2℃と読み取ることができます。そこでこの2つの時刻における層間の気温を平均して考えますと29日9時よりも29日21時の方が低くなっていることがわかります。
以上についてまとめますと、
逆転層の上端付近の気温はほぼ変化はないが、850hPaから地上にかけての気温は低くなっている。(47字)
(気象業務支援センター解答例)
逆転層上端付近の気温はほぼ同じだが、850hPaから地上にかけての気温は低下している。(43字)
ということになります。
では。