こんばんは。満月

 



早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第54回試験・専門知識


(a)
まずはじめに、北日本では平年より気温がどうだったか。北日本付近に着目しますと、オホーツク海からカムチャッカ半島付近へ等高度線が大きく蛇行していることがわかります。これは偏西風の流れが南北に大きく蛇行しており、この図が7月上旬の旬平均の天気図であることから、このような現象が1週間前後かそれ以上続いたことを表わしています。この現象のことを「ブロッキング」または、「ブロッキング現象」とよんでいます。そしてこの大きく蛇行した部分のオホーツク海付近では、「H」マークで示されていないものの、背の高い高気圧が見られ、この高気圧を「ブロッキング高気圧」とよんでいます。

本問では、地上天気図が付されていませんが、このようブロッキングが発生している場合、それに伴い地上では「オホーツク海高気圧」の発生が推定されます。「オホーツク海高気圧」とは、オホーツク海や千島付近で勢力を強める下層に寒気を伴った停滞性の高気圧のことで、ちょうどこの7月上旬の梅雨期に現れることが多いです。オホーツク海高気圧が停滞することにより、風が時計回りに吹き出すに伴い、北・東日本の太平洋側へ冷たく湿った北東風が持続的に流れ込んだため、北日本では平年より気温が低かったと判断することができます。

したがって、本文の内容は誤りということになります。

(b)
次に、北・東日本では、太平洋側を中心に平年より日照時間がどうだったか。これは(a)に関連することですが、オホーツク海高気圧発生時、太平洋側の地域では、オホーツク海高気圧からの冷たく湿った北東風が流れ込むに伴い、不順な天候が持続しやすく、長雨・日照不足・低温による災害が発生しやすくなります。

したがって、本文の内容は誤りということになります。

(c)
最後に、沖縄・奄美では、平年より日照時間と気温はどうだったか、図を見てみますと、この付近では平年偏差が高い領域つまり正偏差の領域内にあることがわかります。このことから、この付近では、太平洋高気圧に覆われているのに伴って日照時間が多く、気温が高い日が多かったと読み取ることができます。

したがって、本文の内容は正しいということになります。

よって、正解は(c)のみ正しく、④ということになります。

以上で第54回気象予報士試験の学科試験は終了となります。次回からは引き続き第54回試験の実技試験1について一緒に考えてみたいと思います。

では。バイバイ