こんばんは。

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第54回試験・専門知識

(a)

台風は上陸しますと、地上との摩擦が増大し、また海面からの熱と水蒸気の供給が大きく減少することから、眼が不明瞭化し、軸対称性も崩れてくる形で衰弱していきます。赤外画像ではその衰弱期にある台風が示されていますが、依然として東日本を中心に白く写っている領域が見られます。

 

赤外画像では、地表面や雲から放射された地球放射を捉えて、その放射量を測定することによってステファン・ボルツマンの法則

(I*=σT4)から輝度温度を求め、温度が高いほど黒く、低いほど白く写るようになっています。

 

台風は発生時に、熱帯収束帯における活発な対流活動で多くの積乱雲から構成されて生まれることからもわかりますように、東日本を中心に広がっている白い、すなわち輝度温度(雲頂温度)の低い領域が見られるということは、台風が衰弱期にあるとはいえ、依然として活発な対流雲を伴っていると考えることができます。

 

したがって、引き続き大雨への警戒が必要であるといえますので本文の内容は正しいということになります。

 

(b)

(a)のはじめにも書きましたが、台風が上陸後に勢力を弱める主な原因は、地上との摩擦が増大し、また海面からの熱と水蒸気の供給が大きく減少するためです。

 

したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

台風の中心付近では、水蒸気の凝結による潜熱の放出と、台風の眼の付近の下降流による断熱昇温によって周囲よりも高温な領域、「暖気核」があります。

 

赤外画像にありますように、台風が中緯度に達し、日本付近を北上してきますと、北からの寒気が台風の中心付近に向かって流れ込み温帯低気圧化が進むことによって台風の持つ暖気核が失われてしまい、このことが台風の軸対称性が崩れる主な原因となります。

 

したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

(d)

赤外画像にありますように、日本列島に接近・上陸し、大きな影響を及ぼす可能性が非常に高い台風につきまして気象庁では、1日先までの3時間刻みの予報を3時間ごとに発表します。

 

さらに、台風の位置や強さなどの実況と1時間後の推定値は1時間ごとに発表します。本文のような問われ方をされますと、混同しそうになりますが、しっかり覚えておきましょう。

 

したがって、本文の内容は誤りということになります。

 

よって、正解は②ということになります。

 

では。バイバイ