この度の豪雨災害に遭われました方々へ心よりお見舞い申し上げます。

 

 

それでは、今回の問題を考えてみたいと思います。

 

 

第14回試験・一般知識

 

今回は、底面の半径がr、高さがhの円柱を模式的に考え、円柱の底面に入ってくる上昇流をWa、円柱の側面から入ってくる流速の法線成分をVとして、円柱の上面から出ていく上昇流をWbとしたときの関係式を立てたときにカッコに入るのは①~⑤のうちのいずれか、という設問です。

 

設問では、例えば「円柱の側面から入ってくる流速の法線成分をVとし」と難しい書き方をしていますが、設問の文中で表現されている、Wa、Wb、Vのいずれも空気の量を表現したものではなくて、空気の流れる速さを表現しています。

 

専門知識の数値予報でも学習しますが、数値予報モデルで使用する基本方程式の一つに「連続の式(連続方程式・質量保存の法則)」というものがあります。今回の設問のモデルは円柱ですが、この円柱に入ってくる空気の量と円柱から出ていく空気の量は等しい、つまり、ある空間に空気が出入りする過程において、突然に空気が消えたり、また空気が湧いて出たりしないという質量保存則を表わした式です。

 

そこで、設問の模式図について、空気の量の出入りの式で表現してみることにします。空気の量は、「流れの速さ」に「流れを受ける面積」を掛けわせれることで求めることができます。円柱の上面及び底面の面積は、半径がrですので、πr2、側面の面積は高さがh、長辺の長さは上面及び底面の円周の長さですので2πr、したがって2πrhとなります。つまり、

 

πr2×Wb = πr2×Wa + 2πrh×V

 

となります。ここで両辺の各項をπr2で割りますと設問の関係式となり、カッコが何かがわかります。

 

πr2×Wb / πr2 = πr2×Wa / πr+ 2πrh×V /πr2

 

WaとWbの項のπr2は消えてまた、2πrh×V /πr2の項ついてはπrは消えて分子にrが残り、分子は2hVが残りますのでこの項は、2hV / r となります。設問の関係式には「( )×V」となっていますので、したがってカッコに入るのは、2h/rとなります。よって正解は①ということになります。

 

では。バイバイ