こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第53回試験・実技2
ショワルターの安定指数(SSI)とは、850hPaにある空気塊の気温と露点温度によって持ち上げ凝結高度を求め、さらにその空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げたとき、実際の500hPaにおける気温から、その500hPaまで持ち上げた空気塊の気温を差し引いた値のことで、大気の鉛直安定度を求める方法の一つです。値が負であれば不安定、正であれば安定となりますが、正の値であっても +2℃以下であれば雷の発生に注意が必要とされます。
まず850hPaの気温を乾燥断熱線に沿って持ち上げ、一方850hPaの露点温度を等飽和混合比線に沿って持ち上げていきます。解答用紙にはあらかじめ850hPaの高さを破線で示しておりわかりやすくなっています。両者をここからスタートさせ、それぞれ持ち上げますと両者の交点ができます。この交点が850hPaからの持ち上げ凝結高度で、760hPa付近と読み取ることができます。
ここから空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げていくのですが、湿潤断熱線はカーブを描いているため、上図の赤で示した290Kと295Kの間の線上において、290Kから持ち上げ凝結高度の距離と295Kから持ち上げ凝結高度の距離との同じ案分を500hPa上に落とし込んで持ち上げますと正確に作図することができます。ここでは、わかりやすくするために色鉛筆を用いましたが、もちろん解答では色鉛筆を使うことができませんので、定規やデバイダー(コンパス)用いて行います。
(気象業務支援センター解答例)
500hPaまで持ち上げた結果、実際の気温よりも2℃高いことがわかります。SSIは、(実際の気温) - (持ち上げた気温)で計算しますので、したがって、-2℃ということになり、館野における鉛直安定度は小さいことがわかります。
では。