こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第53回試験・実技1・問3
今回は、初期時刻(27日21時)において、図9、図10を用い、図1の日本海の低気圧付近の700hPa鉛直流について、前線付近及び、本州付近の地形の影響による各特徴をまとめて45字程度で述べよ、という設問です。
以前、問2(2)②の設問において解析した、日本海の低気圧に伴う850hPaの寒冷前線と温暖前線を図9に重ね合わせてみました。
重ね合わせてみますと、温暖前線付近では、風のデータと図10より、寒冷前線と温暖前線に挟まれた暖域内からの強い南西風が、さらに本州付近の地形の南~南西斜面によって上昇が強化されて強い上昇流域が形成されていると考えられます。
一方、本州付近の地形の影響が及ばない北~北西側の寒冷前線の後面では、概ね下降流域となっています。
設問に対する解答は、700hPaの鉛直流分布についてですので、基本的な解答の要素として「前線付近のどこが上昇流域で、どこが下降流域である。」という書き方になるのですが、今回はそれに加えて、本州付近の地形の影響による特徴も考慮して述べよ、と要求されているものと解釈されます。したがって、
山地の南~南西斜面の温暖前線付近は強い上昇流域、山地の北~北西側の寒冷前線後面は下降流域である。(48字)
(気象業務支援センター解答例)
前線付近および山地の南~南西斜面では上昇流域、山地の北~北東側では下降流域になっている。(44字)
ということになります。気象業務支援センター解答例の、「北~北東側では下降流域」は疑問が残りますが、従来通り、そのまま掲載しています。
では。