こんばんは。夜の街

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第53回試験・専門知識

数値予報を計算するとき、積分時間間隔(時間ステップ)をより小さくすればするほど予報の精度はよくなるのですが、その一方で計算量が多くなってしまうことで、計算時間が膨大になってしまい、予報作業において実用的でなくなってしまいます。

 

そこで、大気の流れの速さ(波の位相速度)と格子間隔との関係の中で、精度を維持しながら、安定的に計算が行えるだけの積分時間間隔(時間ステップ)を求める必要が出てきます。この安定的な計算を行うための条件のことを「CFL条件(クーラン・フリードリッヒ・ルーウィ条件)」とよんでいます。

 

(a)(b)

このCFL条件について表した式が、設問にある不等式で(a)と(b)が空欄になっているのですが、1問あたり平均4分で解答しなければならない試験において、もしCFL条件についての知識が十分でなくても、空欄に入る語句を求めることは可能です。

 

右辺に着目しますと、「流れの速さ」とあります。速さの単位はm/sですので、左辺は分母に時間に関する語句、分子に距離に関する語句が入るはずです。

 

したがって、分子の(a)には「格子間隔」、分母の(b)には「積分時間間隔」が入ることになります。

 

(c)

(a)と(b)が埋まったところで、実際に格子間隔2km、風速50m/sという条件で計算してみます。格子間隔2㎞を2,000mに直して計算しますと、2,000/(b) > 50となりますので、積分時間間隔(時間ステップ)が40秒よりも短ければ条件を満たす、ということになります。

 

したがって、(c)は40秒が入ります。

 

(d)

水平分解能が2倍になる、ということは、東西及び南北の水平格子間隔を1/2倍にするということを意味します。「口」という字を「田」の字にするというイメージで考えるとわかりやすいかと思います。つまり、水平格子間隔が半分になると格子点数は4倍になります。

 

ここで、もう一度設問の(c)の例でCFL条件の式に着目しますと、(a)の格子間隔を半分の1,000mとした場合、右辺の50よりも大きい値を満たすためには、(b)の積分時間間隔(時間ステップ)も半分、すなわち計算回数を2倍にしなければならないことになります。

 

したがって、格子点数が4倍×積分時間間隔が2倍=8倍の計算量が必要となるわけです。

 

よって、正解は、⑤ということになります。

 

では。バイバイ