こんばんは。夜の街

 

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 
 
第53回試験・一般知識


(a)
登山などで標高の高いところへ行くことを想像するとわかりやすいかと思いますが、高度が高くなるにつれて空気は薄くなっていきます。これは言い換えますと、対流圏内における空気密度は高度が高くなるにつれて小さくなっていくことを意味します。

したがって、「ほぼ一定」とする下線部の内容は誤りということになります。

(b)
「一般気象学」p251の図で、500hPa面の高度を対流圏中層のおよそ5000mと考えますと、対流圏の中層にあたるこの高度での気温は熱帯域で高温で、極域へ行くにしたがって低温になっていくことがわかります。

設問では、500hPaという同圧の条件の下での乾燥空気の密度の大小について述べた文になっていますが、温度(気温)は言い換えますと「原子や分子の運動エネルギー」のことです。そこで気温を、気体を構成する原子や分子の運動について考えた場合、気温が高いほど、乾燥空気を構成する気体の分子の運動が活発に飛び交う状態ですから空気密度は小さくなるということができます。逆に気温が低いほど、乾燥空気を構成する気体の分子の運動が鈍く不活発な状態になりますので空気密度が大きくなるということができます。

 

 

したがって「熱帯域の方が極域よりも小さい傾向がある。」とする下線部の内容は正しいということになります。 

(c)
空気全体に占める水蒸気の割合は約4%といわれています。また水蒸気は主に対流圏に含まれているわけですが、その量は場所と時間で大きく変動します。温帯低気圧や台風などといった大気の運動のほとんどがこの対流圏内で起こっていることからわかりますように、水蒸気の密度の割合が乾燥空気の密度に比べて地表付近を含めた大気下層に限って多いとは言えないことは明らかです。

 

したがって、下線部の内容は誤りということになります。

 

よって、正解は、(b)のみ正しく、④ということになります。

 

では。バイバイ