こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
第51回試験・一般知識
本文によりますと、理想気体の状態方程式に分子量が登場しますので、ここでの理想気体の状態方程式は、pV = nRTを使って考えます。
p : 圧力 、V : 体積 、n : 物質量、R : 気体定数、T : 温度を表します。
ここで、この物質量nについてもう少し考えてみます。気体の分子量をMとしますと、気体のモル質量はM(g/mol)と表すことができます。ある気体の質量をmとするとき、この気体の物質量n(mol)は、
n = m/Mということになります。
話を理想気体の状態方程式に戻しますと、pV = nRTを分子量を使って表しますと、
pV = (m/M)×RT (1)
と表すことができます。ここで、両辺をVで割りますと、
p = (m/MV)×RT (2)
次に本文の「気体の密度」について密度の定義を思い出しますと、密度ρとは「単位体積あたりの質量」ということでした。つまり、質量をm、体積をVとしますとρ = m/Vと表すことができます。そこで、(2)式の右辺に当てはめますと、
p = (ρ/M)×RT (3)
両辺にM/RTを掛けますと、
pM×(1/RT) = ρとなり、右辺と左辺を入れ替えて、
ρ = pM×(1/RT) (4)
となります。この(4)式について見ますと、Rは気体定数で、本文に「圧力と温度が一定の場合」とありますので右辺の変数はMだけとなりますので、気体の密度は気体の分子量に比例することが導出されます。
したがって、(a)は「比例する」が入り、①か②に絞られます。
(b)
空気の混合比は、水蒸気の質量/乾燥空気の質量、で表わされます。
先ほど(a)のところで密度とは単位体積あたりの質量、すなわち、ρ= m/Vで表わすことができますので、これを利用しますと混合比rを、水蒸気の密度(ρv)/乾燥空気の密度(ρd)で表わしますと、
r = ρv/ρd となります。
ここで(4)式を利用します。水蒸気の密度(ρv)と乾燥空気の密度(ρd)のそれぞれについて、水蒸気と乾燥空気の分子量をそれぞれMvとMd、湿潤空気の圧力をp、水蒸気圧をeを使って式を作りますと、
ρv = e× Mv×(1/RT) (5)
ρd = (p-e)× Md × (1/RT) (6)
混合比について(5)式と(6)式の右辺それぞれをr = ρv/ρd にあてはめますと(1/RT)が消えて、
r = (e× Mv) / { (p-e)× Md} (7)
となります。この(7)式に本文にある数値をあてはめますと、
r = (18×42) / { (1000-42)×29}
= 756 / 27782
= 0.272・・・(g/g)≒27(g/kg)
となります。したがって、(b)は「27」が入ります。
よって、正解は①ということになります。
では。