こんばんは。流れ星

 

第50回気象予報士試験の受験申請期間は7月6日(金)までとなっています。受験を予定の方は、お早めに申請されますことをお勧めします。

 

それでは、問題を考えてみたいと思います。

 

問1


この問題での湿潤層とは、問題文にあります通り、湿数6℃以下の気層ということですので、これに従って図4の(ア)から順に10hPa刻みで読み取っていきます。

 



(ア)の鉛直プロファイルでは湿潤層が2箇所見られることがわかります。一つは地表から870hPaにかけての気層、もう一つは410hPa以上の気層で、340hPaに達しています。したがって問題文の「地表に近いものから順に湿潤層1、湿潤層2とし、」という指示に従いますと、
湿潤層1:(下端)地表   (上端)870
湿潤層2:(下端)410   (上端)340
となります。


 

(イ)の鉛直プロファイルでは湿潤層が1箇所で地表から910hPaにかけての気層が該当します。910hPaよりも上層は乾燥した気層となっていることがわかります。したがって、
湿潤層1:  (下端)地表    (上端)910
となります。


 

(ウ)はいちばんわかりやすいですね。この鉛直プロファイルの中で湿数6℃以下が地表から340hPaに達しており、全層にわたって湿潤層となっていることがわかります。したがって、
湿潤層1:   (下端)地表    (上端)340
となります。


今度はこれら3つの鉛直プロファイルが図1に示されている地点X、Y、Zのどれに該当するかということです。まずいちばんわかりやすそうな(イ)から見てみます。

(イ)では地表から910hPaにかけてのごく下層で湿潤層が見られるだけであとは乾燥した気層であることから、地点Xに着目しますと、地上の実況ではもやが観測されていますが、図2でこの付近を見ますと降水をもたらす雲は観測されていないことから地点Xとして矛盾はなさそうです。したがって(イ):Xとなります。

次は、全層が湿潤層の(ウ)を見てみます。

(ウ)では全層が湿潤層であることから、残りの地点Y、Zのうちですと、前線付近の地点Zではないかということで概ねの見当がつきます。そこで地点Zに着目しますと、地上の実況では全雲量が8分の8、乱層雲が見られ、前1時間以内に止み間があった弱い雨が観測されています。図2では可視・赤外の両画像とも明灰色でこれが雨をもたらしている雲と考えて矛盾はなさそうです。したがって、
(ウ):Zとなります。

残りの(ア)はYとなりますが、矛盾はないか見てみます。

(ア)は地点Yの実況では全雲量は観測されていませんが、止み間のない並の霧雨が観測されていて地表から870hPaにかけての湿潤層で発生した下層雲によりもたらされたものと考えられます。一方で図2でこの付近を見ますと、地点Y付近では前線のキンクに対応する雲域Pの北側の上層雲がかかっており、これが410hPaより上層にある湿潤層に対応していると考えてよさそうです。したがって、(ア):Yということで間違いはなさそうです。よって、

 

(ア):Y   (イ):X   (ウ):Z   ということになります。


では。バイバイ