こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
(a)
平均誤差(ME)とは、実況値から見た、予報値の系統的な偏りを示す指数のことをいいます。
具体的には、予報値と実況値との差を求め、そのそれぞれの差を積算したものを予報回数で割ることによって求めることができます。
評価については0が最良です。また、求めた値は正の誤差にも負の誤差にもなりますので、その絶対値が大きくなるほど、すなわち0との差が大きくなるほど誤差が大きいことを示します。
平均誤差は、初めに書きましたように、予報の偏りの有無を評価できる長所があるものの、正の誤差と負の誤差が相殺されてしまうという欠点もあります。
したがって、本文のように、平均誤差が0に近いほど予報が大きく外れる回数は少ないという判断はできませんので、内容は誤りということになります。
(b)
それでは実際に、問題の下にある表を用いて、平均誤差を算出してみます。
2℃高い日が2日で、2×2=+4℃
1℃高い日が10日で、1×10=+10℃
予報と実況が同じ日が18日で、0×18=0℃
1℃低い日が6日で、-1×6=-6℃
2℃低い日が4日で、-2×4=-8℃
これらの誤差をすべて足し合わせますと、4+10+0+(-6)+(-8)=0℃、これを予報回数の40日で割っても0℃となり、これが地点Aの平均誤差となります。
すなわち、地点Aの平均誤差は0ということになりますので、期間の平均としては、地点Aでは予報の偏りはなかったと判断することができます。したがって、本文の内容は誤りということになります。
(c)
2乗平均平方根誤差(RMSE)とは、予報誤差の標準的な大きさを示すものです。
算出の手順としては、①予報値と実況値の差を2乗したものを、②積算して③予報回数で割り、④さらにその平方根をとって求めることができます。これも平均誤差と同様、0が最良で値が大きくなるほど精度が悪いことを示します
が、平均誤差と違い、正の誤差と負の誤差が相殺されることはありません。また、平均誤差が0であっても、
2乗平均平方根誤差も0になることは少ないです。
それでは、実際に地点Aの2乗平均平方根誤差を算出してみます。
①
2℃高い日は22で4となり、これが2日で、4×2=8℃
1℃高い日は12で1となり、これが10日で、1×10=10℃
予報と実況が同じ日は、0が18日で、0×18=0℃
1℃低い日は(-1)2で1となり、これが6日で、1×6=6℃
2℃低い日は(-2)2で4となり、これが4日で、4×4=16℃
②
次にこれらを足し合わせますと、8+10+0+6+16=40℃
③
予報回数で割りますと、40℃÷40日=1℃
④
平方根をとりますと、√1=1となりますので、地点Aの2乗平均平方根誤差は1℃ということになります。
問題の冒頭で地点Bの2乗平均平方根誤差は1.4℃とありますので、比較しますと、本文の通り、地点Aの気温予報の方が精度が高かったと判断することができますので内容は正しいということになります。
よって正解は④ということになります。
では。