こんばんは。
早速ですが、考えてみたいと思います。
問2
①
問題では、「地上の前線が東経140°線と交差する緯度」とあります。ですのでこの近辺において前線がどこに位置するのかを実際に解析してみます。
まず、24時間後の10日9時から見ますと、850hPaの前線にあたる図7(左下)の等温線集中帯の南縁、または図10のT=24の図の等相当温位線集中帯の南縁に着目し、青線で示しますとこのようになります。
寒冷前線であることを考慮し、850hPa前線から1°ほど暖気側にずらし、地上のLマークに着目して、ここを通る位置が赤線で示した地上の前線ということになります。したがって、東経140°線と交差する緯度は北緯37°ということになります。
同様に48時間後の11日9時についての850hPaの前線はこのようになります。
今度の場合も、1°ほど暖気側にずらし、地上の気圧の谷にも着目しながら地上の前線を解析しますと赤線のようになります。したがって、東経140°線と交差する緯度は北緯33°ということになります。
②
①の結果を基に、前線の南下する速度を、初期時刻~24時間後と24時間後~48時間後にわけて1ノット刻みで答えなさい、という問題です。
ここで、海里とノットの単位について確認しましょう。
距離の単位の「1海里」とは緯度1分、これをメートル単位に直しますと、1852mになります。
次に、速度の単位の「1ノット」とは1時間に1海里、すなわち1時間に緯度1分(1852m)進む速さのことをいいます。
これを踏まえて、実際に2つの時間帯の速度えを計算してみます。なお、この問題では距離を単位をメートルに直す必要はありません。
<10日9時までの前24時間の速さ(初期時刻~24時間後)>
初期時刻が北緯40°、24時間後が37°ですので、24時間で南下した距離は緯度にして3°です。
この緯度3°を分単位に直すには3°に60を掛け算します。すなわち180分となります。
この180分を24時間で南下するのですから、180÷24=7.5
「四捨五入せよ」との指示がないのが気になるところですが、センター解答例では、小数点第一位を切り捨てて7ノット、四捨五入した場合はと8ノットでこれも正答の範囲と思います。
<11日9時までの前24時間の速さ(24時間後~48時間後)>
24時間後が北緯37°、48時間後が33°ですので、24時間で南下した距離は緯度にして4°です。
この緯度4°を分単位に直すには4°に60を掛け算します。すなわち240分となります。
この240分を24時間で南下するのですから、240÷24=10、よって10ノットとなります。
では。