こんばんは。天の川。

 

早速ですが考えてみたいと思います。

 

 

問題文そのものはサラッと書かれていますが、この問題を解くためには温位・相当温位・湿球温位についての理解と、頭の中でエマグラムを使って空気塊を操作しながら考えることができる必要があります。

 

まず、温位・相当温位・湿球温位について整理してみたいと思います。

 

温位とは、ある未飽和の空気塊を1000hPaまで乾燥断熱線に沿って下降または上昇させ、1000hPa面にそろえたときに示す温度のことをいいます。

 

(受験時代のノートより)

 

つまり、図のように異なる未飽和の空気塊があるとしますと、断熱的に下降または上昇させますと、温度が変化してしまいますので、基準となる気圧にそろえて温度を比較する「ものさし」となる概念が必要となるわけです。

 

この温位の考え方を基本形として、あとの相当温位と湿球温位とは何かを簡単なエマグラムの図で見ていきます。

 

 

相当温位とは湿潤空気塊を乾燥断熱線に沿って上昇させ、やがて飽和し持ち上げ凝結高度に達したところで、今度は湿潤断熱線に沿って上昇させた場合、その湿潤空気塊が含んでいた水蒸気の全てを凝結させた際の潜熱を放出させて降水として落下させた後、潜熱によって上昇した乾燥空気塊を乾燥断熱線に沿って1000hPaの高さにそろえたときの温度のことをいいます。

 

湿球温位とは湿潤空気塊を乾燥断熱線に沿って上昇させ、やがて飽和し持ち上げ凝結高度に達したところで、今度は湿潤断熱線に沿って1000hPaの高さにそろえたときの温度のことをいいます。

 

このエマグラムの1000hPaのところに着目しますと、湿球温位が最も低く、次に温位、最も高いのは相当温位であることがわかります。したがって、(a)は③か④に絞られます。

 

また、(b)については、温位の場合は未飽和の空気塊が断熱的に変化しているときは保存されますが、空気塊の中で凝結が起こりますとその値が変化してしまいます。残りの相当温位と湿球温位は保存される値ですので正解は③ということになります。

 

では。バイバイ