こんばんは。星

 

  

地上天気図(1967年7月9日9時)

 

(気象庁HP 昭和42年7月豪雨より)

 

当時の天気図を見てみますと、本州南岸に梅雨前線が停滞していて、東シナ海に台風から変わった熱帯低気圧からの暖湿な空気が流入したことにより、またさらに六甲山系の地形効果も重なって70mm/hを超える非常に激しい雨が観測されています。

 

また、六甲山系と海が近く、急峻な地形な上に地質が花崗岩で風化しやすく脆いため、流木や土砂が下流まで流れ、この宇治川も暗渠の入り口が詰まって商店街の道路へ水があふれて大きな被害となったようです。

 

  

(現在の商店街と暗渠のマンホール 当時水が道路にあふれたため、マンホールの蓋をあけて水を落としていたそうですが、住民が避難途中にそのマンホールに落ち、下流まで流され犠牲になられた方もいたそうです。そのためなのかマンホールはボルトで締められています。)

 

その後の対策として暗渠の入口は調整池を設けて水門も設置され、流木や土砂を暗渠に流れ込ませず水だけが流れるように正面と両岸に柵が設けられています。

 

春は桜の名所だそうなので、ついでに実際に意識して見てみてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

それでは、問題を考えてみたいと思います。

 

 

(a)太陽からの距離が地球の半分、半径が地球の半分の惑星を仮に惑星Aとします。その惑星Aの全表面に単位時間に入射する太陽放射エネルギーは地球の何倍か考えて見ます。

 

太陽と地球・惑星Aそれぞれの球面が受ける放射エネルギーは太陽からの放射エネルギーに等しいです。惑星Aと地球の球面上の放射エネルギーをそれぞれI1、I2としますと、すなわち、

 

I1×4π(0.5R02=l2×4πR02

 

となりますので、

 

I1/I2=4πR02/4π(0.5R02

 

と書けます。つまり放射エネルギーは距離の二乗に反比例して距離とともに減少していきます。したがって、地球を基準にしますと、距離だけで言えば地球の4倍の放射エネルギーを惑星Aが受けることになります。

 

一方、惑星Aの断面積は半径が地球の半分ですから、これも地球を基準にしますと、

 

π(0.5r0)2/πr02=1/4

 

で地球の1/4倍となります。以上の2式の計算結果を掛け合わせますと、

 

4×1/4=1

 

となり、1倍で地球と同じとなりますので2倍は誤りとなります。

 

 

(b)

今度は距離が地球の2倍、半径は地球と同じ、1からアルベドを引いた惑星の放射吸収率が地球の半分の惑星を仮に惑星Bとして、その惑星Bの全表面で単位時間に吸収される太陽放射エネルギー量が地球のそれのどれくらいかを考えます。

 

惑星Bの距離は地球の2倍なので、先ほどの「放射エネルギーは距離の二乗に反比例して距離とともに減少」していきますので、受ける放射エネルギーは地球の1/4倍、断面積は同じなので1倍、放射吸収率は1/2倍ですから、求める惑星Bの全表面に単位時間に入射する太陽放射エネルギー量は、

 

1/4×1×1/2=1/8

 

したがって地球の1/8倍となり、1/4倍は誤りとなります。

 

 

(c)

最後は、太陽からの距離が地球の1.2倍、惑星の半径は1.2倍、1からアルベドを引いた惑星の放射吸収率が地球の1.2倍の惑星を仮に惑星Cとして、その惑星Cの放射平衡温度が地球のどれくらいかを考えてみます。

 

ここでの放射平衡温度は地球・惑星Cが吸収した太陽放射と地球から放出される地球放射が等しいときの、地球・惑星Cの温度のことをいいます。つまり、

 

S0(1-A0)πr2=4πr2σT4

 

これをT4の式にしますと、

 

 T4=S0(1-A0)/4σ

 

ここでは放射平衡温度の比較ですのでT4の比較は結局のところTの比較となります。

 

地球を基準にして考えますと、惑星Cの太陽からの距離は1.2倍ですので、受ける放射エネルギーは1/1.44倍、また放射吸収率は1.2倍ですからこれらを掛け合わせますと、

 

1/1.44×1.2≒0.83

 

したがって、地球の放射平衡温度の約0.83倍となり、惑星Cの放射平衡温度の方が低くなることから、誤りとなります。

 

よって正解はすべて誤りで⑤となります。

 

では。バイバイ