こんばんは。
(3)
図9(左下)は図9(上)の3時間後、12時のレーダーエコー合成図で、北海道の西海上の帯状エコーが南下してきて、小樽と寿都(すっつ)に近づいてきているという状況です。
①
帯状エコーの南下速度を、東経141.0°と東経140.2°についてそれぞれ1km/h刻みで求めなさい、という問題です。
まず、図9(上)にトレーシングペーパーを重ねて、東経141.0°と東経140.2°それぞれを、帯状エコーの北縁のところに印をつけます。
次に図9(左下)の帯状エコーの北縁に印をつけて、それぞれの図上の移動の長さを測ります。
僕が測ってみた限りですが、緯度1°(111.1km)が図上27mmとしますと、東経141.0°では図上14mm、東経140.2°では図上17mmとなりました。
そこで移動速度を求めますと、
(東経141.0°)
14÷27≒0.52 111.1×0.52≒57.8(km) 57.8÷3(時間) ≒19(km/h)
(東経140.2°)
17÷27≒0.63 111.1×0.63≒70.0(km) 70.0÷3(時間)≒23(km/h)
気象業務支援センター解答例は24km/hなんですが、図上の測定誤差の許容範囲かと思われます。
②
その次は帯状エコーが①で求めた南下速度を維持した場合に、エコーの北縁に位置するシアーラインが小樽と寿都に到達する時刻をいずれも10分刻みで求めなさい、ということです。
シアーラインは帯状エコーの北縁に位置している、ということですので、図9(左下)12時の帯状エコーの北縁の東経141.0°及び東経140.2°の位置から小樽と寿都までの図上の距離を測りますと、小樽(東経141.0°)までは8mm、寿都(140.2°)までは19mmとなりました。
帯状エコーの北縁(シアーライン)からの距離をそれぞれ求めますと、
小樽は、8÷27≒0.30 111.1×0.30≒33.3(km)
寿都は、19÷27≒0.70 111.1×0.70≒77.8(km)
求めた距離に①で求めた移動速度で割って、それぞれの到達時刻を求めますと、
(小樽)
33.3÷19≒1.75(時間) 60(分)×0.75(時間)=45分ですので1時間45分、
10分刻みとの指示ですので四捨五入して1時間50分後となりますので、到達時刻は、
13時50分となります。
(寿都)
77.8÷23≒3.38(時間) 60(分)×0.38(時間)≒23分ですので3時間23分、
10分刻みとの指示ですので四捨五入して3時間20分後となりますので、到達時刻は、
15時20分となります。
問題が最後の方に差し掛かって、試験時間が迫って焦っている中での計算問題は、僕はいやでしたね。
計算方法は一例ですので、「自分ならこの計算の方が速い。」と思う方法で練習を重ねられますと本番で焦らなくなると思います。
次回は30日18時更新予定です。