こんばんは。
(1)
雲域Aでは、可視画像で白く、赤外画像で暗灰色となっていることから、雲頂温度が高い、すなわち地上の温度に近いということですので、下層の雲であることがわかります。
可視画像をもう一度よく見ますと、雲の状態が一様に広がっているという感じではなくて少し凹凸があるように見えます。
また、Aの領域の少し外側にあたる、図1の東京で観測されている十種雲形に着目しますと、積雲と層積雲の共存となっていることから、層積雲であることが推定されます。ただやはり、地上から約36,000kmから観測していますので、はっきり層積雲と断定できるわけではなくて層雲の存在の可能性も考えられることから、層雲も正解となっています。
よって、
雲の種類:層積雲( 層雲)
根拠:可視画像で白く,赤外画像で暗灰色のため。(20 字)
(2)
こんどは、雲域Bの特徴を「台風の眼の構造の特徴」と「雲頂高度の分布」の2点に着目して35字程度で述べなさい。ということです。
まず、「台風の眼の構造の特徴」から考えてみますと、気象衛星画像から得られる台風の眼の構造の特徴とは何かといいますと、結局上からみた情報ということで、眼がはっきりしている(明瞭)かはっきりしない(不明瞭)かのどちらかを答えることになろうかと思います。
次に、「雲頂高度の分布」はどうなっているかということですが、赤外画像に着目しますと、雲域Bの西側では比較的暗いことから雲頂高度が低く、東側では白いことから雲頂高度が高いことが読み取れます。
解答例では雲域の北東側についてだけ述べていますが、僕個人的には雲域全体として、西側と東側の両方の特徴を述べた方が、丁寧な説明になると思います。
よって、
眼の構造は不明瞭で、雲頂高度の分布は中心より西側で低く、東側で高い。(34字)
(気象業務支援センター解答例)
眼は不明瞭で,北東側を中心に雲頂高度が高く厚い雲域が広がっている。(33 字)
(3)
まず、雲域Cと前線の位置関係ですが、図1と気象衛星画像が同縮尺ですのでトレーシングペーパーで前線を写し取って重ねてみると確実です。したがって「前線の南側にある。」ことがわかります。
最後に雲域Cを構成する雲の種類(十種雲形)と分布の特徴を前線と関連付けて述べなさいということです。
まず、雲の種類は可視・赤外の両画像とも白いことから、雲頂高度が高く、団塊状であることから、積乱雲であることがわかります。
次に、前線に対してその積乱雲がどのように分布しているかということを考えてみます。
なかなか説明しづらい問題ですが、もう一度雲域と前線を重ね合わせますと、個々の積乱雲は前線に対して、南北に交差して列状に並んでいることがわかります。
よって、
位置関係:前線の南側にある。
種類と特徴:
個々の積乱雲が前線に対し南北に交差して列状に並んでいる。(28字)
(気象業務支援センター解答例)
種類と特徴:
積乱雲が列状に,前線にほぼ直交して並んでいる。(23 字)
ということになります。
では。