こんばんは。お月様

 

早速ですが考えてみたいと思います。

 

(a)

本文の、「気象庁の気象ドップラーレーダーは,パルス状に発射した電波が,降水粒子によって反射( 後方散乱) されるときの周波数の偏移を測定することにより,」の部分は正しいのですが、その後の文も内容が合っているだろうと思って、うっかり読み流してしまうと、「正」にして引っかかってしまいます。

 

1台の測器で上空の風の3次元速度ベクトルの各成分を観測するのはウィンドプロファイラーです。「3次元速度ベクトルの各成分」とは、風を東西・南北・鉛直の各成分に分けることができるということです。

 

(気象庁HPより引用)

 

一方の気象ドップラーレーダーで観測できるのは周囲の風に流されている降水粒子が分布する領域の動径速度であり、しかも、レーダービームの沿う風成分、つまりレーダーに近づくか遠ざかるかの風成分しか得ることができません。

 

したがって本文の内容は誤りということになります。

 

 

(b)

 

(気象ドップラーレーダー 関西航空地方気象台)

 

本文の内容は気象ドップラーレーダーの観測原理そのものを述べています。したがって正しいということになります。

 

 

(c)

と、ここまで考えてきましたが、問題を解くにあたりましては、(a)が「誤」で(b)が「正」となっている組み合わせの選択肢は④しかありませんので、正解は④と導けるのですが、実は僕がこの問題を後回しにしてしまったのは、この(c)の内容が解せなくて、いろいろと資料を調べていたため僕自身、理解に時間がかかってしまったためです。

 

気象ドップラーレーダーで観測できる最大距離はアンテナの大きさや周波数などに依存するのですが、現在の気象ドップラーレーダーによる降水粒子観測時の最大探知距離は450kmほどです。

 

一方のドップラー速度の観測では、ドップラー速度がレーダー測定可能な速度範囲を超えてしまいますと、逆に低い周波数のように捉えてしまい、実際より低い測定値になってしまう「折り返し現象」が起こってしまい、風速場が正しく観測できなくなります。

 

そのため複数のより高い周波数を用いることによって「折り返し現象」を補正する方法が取られているのですが、周波数を高くしますと、その分、観測できる距離は降水粒子観測時の最大探知距離より短くなります。したがって本文の内容は正しいということになります。

 

よって正解は④ということになりますが、(c)についてはおそらく試験に初めて出る内容で、しかも高度な知識なので、正直難しかったです。もっと勉強します。ごめんなさい

 

次回からは実技試験について考えてみたいと思います。

 

では。