こんばんは。星空

 

早速ですが考えてみたいと思います。

 

(a)

(ドナルド・アーレン 最新気象百科 丸善 p269より引用)

 

太平洋高気圧の成因は大気大循環を構成する一つであるハドレー循環で、図の亜熱帯高気圧に該当し、本文の通り下降域で発生していることがわかります。このことから背が高く安定した特徴をもつ高気圧となるわけです。したがって本文の内容は正しいということになります。

 

 

(b)

シベリア高気圧は冬季のユーラシア大陸、特にシベリア地域を中心とする広い範囲で強い放射冷却によって形成され、対流圏下層の1,000~2000m程度の高さの背の低い高気圧です。

したがって、「上層まで冷たい」とする本文の内容は誤りということになります。

 

 

(c)

オホーツク海高気圧の主な成因はブロッキング高気圧です。

ブロッキング高気圧は北半球上空の偏西風が蛇行した時に沿海州やオホーツク海上空に出現し、停滞する特徴があります。ブロッキング高気圧自体は大気上層までの背の高い温暖な高気圧ですので、これだけでは本文のような特徴は現れません。

 

それではどうやって大気下層に低温・湿潤な気団を伴った停滞性の高気圧になるんでしょうか。もう一つ大きな成因があるはずだ、ということになります。


それは低温な海域であるオホーツク海の存在です。ブロッキング高気圧がオホーツク海の上に居座りますと、大気下層の部分が冷やされ、空気中の水蒸気の凝結が起きます。ただしブロッキング高気圧内では空気が沈降しているため、高度1,000m程度の背の低い、低温・湿潤な気団が形成されます。この気団の部分が「オホーツク海高気圧」と呼ばれる部分です。よって本文の内容は正しいということになります。

 

よって正解は②ということになります。

 

では。