こんばんは。

書店の気象関係の棚のところによく行かれる方ならご存知の約400ページに渡る昨年4月に刊行された分厚い本です。先日、やっと大阪・梅田の紀伊國屋書店で購入しました。

著者は「一般気象学」の小倉義光さん。気象予報士を目指す方ならお持ちの「一般気象学」とは何が違うのかも交えてご紹介したいと思います。

ただ、先ほど触れましたが約400ページ、全16章に渡る大著なので、4章ずつ、4回に分けたいと思います。


日本の天気

日本の天気: その多様性とメカニズム/小倉 義光 東京大学出版会
¥4,860
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第1章~第4章の構成は、

第1章 お天気の移り変わりと天気系
第2章 グローバルスケールの擾乱
第3章 多様性を生む4つの要因
第4章 温帯低気圧の基礎的な考え方

第1章は、イントロダクションの部分で、「一般気象学」ですと、太陽と太陽系の話という壮大なところから始まりますが、この章での本文中では「この日本に住む私たちが日常接する天気系は、世界でもまれなほど多様性に富んでいるのである。」という一文が本章の、さらには、本書全体のテーマのスタート地点になっているように感じました。

第2章は、「一般気象学」の第10章「気候の変動」とも重なる内容ですが、一般気象学では注記でしか触れなかったロスビー波について、解説されています。ただ結構、高度な内容です。それに関連するエルニーニョとブロッキングについての元となる話として概要を理解する程度で充分と思います。

第3章の4つの要因とは、①中緯度に位置していること。②大陸の東岸に位置していること。③水蒸気が豊富なこと。④アジア・モンスーンがあること。を挙げ、これらが、北太平洋地域に多く温帯低気圧を発生させ、天気の多様性を生んでいるという内容です。

第4章では「一般気象学」の第7章と重なる部分です。文字通り、温帯低気圧の発生の基本的な解説です。

(つづく)