平成最後と令和の最初 その7 | TERUのブログ

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つれづれに

令和に入っても、まだ平成の桜を引きずります(苦笑)。

 

TERU兄、あんまり引っぱると怒られるよ。

 

す、すいません……

 

では、どんより曇りの日に桜を美しく撮る方法を書いときましょう。

 

それはズバリ、思いっきり露出オーバーで撮っちゃう!

 

 

たとえば上の写真のように。

 

これ、カメラの示す露出から2EVも露出オーバーで撮っています。

 

2EVもですよ。といっても、実感わきませんよね。説明が難しいけど、ふつう2EVも上げたら、写真は白っぽくなってしまう。

 

上の写真も、見方によれば「白っぽい」ですけど、それが幻想的な雰囲気に効いてますよね。

 

このように、作画での狙いがあれば、ガンガン露出補正しちゃっていいのです。

 

ここで少し技術的なお話をしますと……

 

曇りに限ったことではありませんが、カメラを空に向けると、カメラの示す露出はアンダーになります。

 

その理由をチコちゃんふうに簡潔にいうと――

 

「カメラはすべての平均を取ろうとするからぁ~」

 

ってことです。これまたチコちゃんふうに、追加の解説が必要ですね(苦笑)。

 

この世は、光が当たったところは明るく、そしてそこには必ず影ができます。明暗の差が生まれるわけです。またこの世はいろんな色で溢れてますよね。赤青緑などなど。それらの要素を絵の具の色と解釈してすべて混ぜ合わせると、灰色になるのです。

 

埃のクズを集めると灰色になるのと同じ。(埃も顕微鏡で見ればいろんな色が混ざっています)

 

つまりこの世にあるモノを「色」として見たとき、すべての平均を取ると、それは「灰色」なのです。(写真の専門用語では18%グレーといいます)

 

われわれ人間は、昼間の空が明るいのを知っています。洞窟の中が暗いのも知っている。だから単純に瞳の瞳孔で光量を調節するだけでなく、それらを脳内で補正して見てるんです。

 

でもカメラはそんなことわかんない(動物の瞳はわかるのにね)。だから空にカメラを向けると、「こりゃ明るすぎるわ。平均を取らなきゃと考える。

 

平均とは……そう「灰色」ですよね。白いはずのモノが「灰色」に写ってしまうのはこのせい。

 

「白」を「灰色」にするには、露出をアンダーにすればいいので、カメラは愚直にそうします。これは空だけでなく、雪景色にもいえます。雪は真っ白ですよね。だからカメラは明るすぎると判断して、雪景色を暗く(灰色に)撮ってしまう。

 

というカメラの性質もあって、えっ2EVも? と驚くほどの露出補正を加えなければ、あのように幻想的な雰囲気にはなりません。場合によっては、もっと露出を上げる必要もあるくらいです。

 

とはいえ、ご安心を。

 

一般的によく撮影する風景……たとえばドッグランで遊ぶノンちゃんとか、子どもの誕生日パーティーの記念写真とか、旅行に行ったときの思い出とかとか……を撮るとき、その風景の中はに明るいところと暗いところ、あるいはいろんな色があるので、カメラが考える「平均」で撮っても、ほぼうまくいきます。カメラもいろいろ進化してますしね。

 

なので露出補正が必要と思うことはあまりないでしょう。

 

でもね、露出補正を覚えると、写真の出来映えがグンと上がります。もうてきめんに。

 

閑話休題。曇り空の桜に話を戻しましょう。

 

じつは、曇りの日には、ひとつ利点(?)があります。

 

快晴の「青空」を露出オーバーにすると、せっかくの「青」が薄く(明るくなればなるほど白っぽくなる)なってしまいます。(逆に空の青を強調するには露出の調整だけでなく、偏光フィルターを使うなどべつのテクニックもあります)

 

でも思い出してください。曇り空は、最初から白っぽいのです。

 

そう。もともと色がない「白」なんですよね。なので、露出を2EVもオーバーにして、真っ白くしたっていいわけですよ。残したい「青」がそもそもないんだから。

 

と、いうわけで、曇り空のときは、写真として破綻するギリギリまで露出オーバーにしてしまうのも一つの手なのです。

 

上の写真はそうやって撮りました。花弁の輪郭が曇り空の「白」と溶け込んで、水彩画のような雰囲気にさえなってますよね。

 

これが狙いなのです。

 

 

こんなふうに、花の輪郭がぼやけるくらい露出をオーバーにして撮ってみましょう。

 

ただこの手法は、カメラの中だけで完結させるのが難しいという難点があります。

 

じつは、RAWデータを現像できることが前提です。

 

というのは露出オーバーで撮った写真を、RAWデータの現像処理で整える必要があるからです。

 

具体的には、カメラのダイナミックレンジを利用して、空のハイキーはそのままに、花弁のディテールが出るように調整します。このときコントラストも調整します。さらに露出オーバーにすることで失った「彩度」も無理やり戻してしまう。

 

こうして「絵」を作り込んでいくのです。

 

むかしモノクロ写真の時代は、暗室で似たような技法を使ってたんですよ。それがいまはカラー写真で同じことが(しかも薬品にまみれることなく)できるようになりました。

 

いやいやTERUさん。デジタルデーターの処理は、そんな簡単にできないよ。

 

という方も大勢いらっしゃるでしょう。

 

ですが曇りの日の基本は、ここまで極端でないにしろ「露出オーバー」で撮ることです。

 

 

たとえばこの写真も、1EVほど上げています。さっきの写真では、現像処理で無理やりいろんなことしてますが、この写真はそこまで変な(?)処理はしてません。

 

明るくきれいですよね。

 

この写真が無理やりな処理を必要としない理由は、「逆光」ではないからです。

 

完全な順光でもありませんが、半逆光程度の場所で花がきれいに見える場所を探し、そこで露出をオーバーにして撮れば、ほぼ、こんな写真になります。

 

「ほぼ」と書いたのは、やはり一手間はほしいから。料理みたいね(笑)。

 

ここでの一手間は、カメラの記録する色を「ビビッド」にしておくといいでしょう。あるいはカメラによっては「風景モード」でもいいかも。露出をオーバーにすると、どうしても彩度が失われますから、最初から少し補っておくのです。

 

その「露出補正」の決め方ですけど、カメラやスマホの液晶は、見た目以上に「きれい」に見えてしまうので、液晶で見ている被写体が「少し明るすぎるかな?」くらいのところでシャッターを押すと、ちょうどいい露出になることが多いです。

 

デジタルは、いくらでもトライ&エラーを繰り返せますから、一つの被写体も何枚か露出を変えて撮ってみるといいでしょうね。

 

と、こんなところでしょうか。

 

ノンちゃん、おわかりいただけましたかね?

 

ぜんぜん、わかりませーん♪

 

えっと……ノンちゃんはかわいいので、オッケーです(笑)。

 

では、明日も続きますよー。

 

10連休は長い!

 

ホントにもう、マジかっていうくらいに。

 

人間はこんなに休んでいいモノなんでしょうか?

 

と不安に思っちゃうのは、ぼくが日本人だからでしょうね(笑)。

 

 

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