9次元からきた男 | TERUのブログ

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つれづれに

日本科学未来館というのがお台場にありまして、そこで『9次元からきた男』というのを上映しているんですよ。

超ひも理論という、いま理論物理学の世界でも最先端の研究を、科学的な正確さを追求しつつも、一般にわかりやすく紹介しようじゃないかという試み。

それを知ったとき最初に思ったのは……

観たい!

科学好きなら当然ですが(笑)、観たいと思ったのは、監督が清水崇さんだったからといっても過言ではない。

だれ?

呪怨を撮った監督ですよ。呪怨。こわーい。リングで貞子さんにやられたぼくは、ジャパニーズホラーを観ることのできない体質になってしまったので(苦笑)、呪怨は観てないんですけど……

でも、一級の映画監督なのは間違いない。その監督が科学をテーマにした映像作品で、ありきたりな「解説番組」ふうを撮るわけがないという期待。

さらに監修がカリフォルニア大学の大栗博司教授なのも期待度が高い。超ひも理論の研究者としてこれまた一級のお方ですから。

というわけで、ずーっと観に行きたいと思ってたんだけど、この夏休み、やっと姪を連れて観てきました。姪について来てもらったというのが正しい表現だけど。お台場のデックス東京(という商業施設があるのです)で、たこ焼きミュージアムに行く約束をして、やっとついて来てくれたというのが、さらに正しい表現だけど(汗)。

ともかく!

ワクワクドキドキして観たせいか、期待が少し上回ってしまった(苦笑)。そもそも、30分弱の作品ですから、そのボリュームで、最新理論を説明しようというのが無謀かもしれません。

観たあとにWebで調べたら(ぼく、観る前は先入観を持ちたくなくて、あんまり詳しくは調べないたちなんです)、大栗博司教授も、今作は「あらすじ」みたいな作品だとおっしゃっていた。

たしかにそうだなと。超ひも理論の「あらまし」を軽く説明するに終わっています。この作品を観て、興味を持ったら、あとは自分で調べてみてね。という期待が込められているとも受け取れる。好意的に考えれば(笑)。

素粒子の動きを表現した映像などは、ものすごくきれいで、ぼくはもう、ただただその美しさに没入してしまったのですが、理論を理解できるだろうかという点を冷静に考えると、やはりそれは難しい。

30分はキツいと思う。せめて1時間。できれば2時間ほしいでしょうね、映像を作る側としては。

とにかく、説明をそぎ落とすしかない。さらに商業作品の監督らしく、物語仕立てになってるんですけど、それもNHKの子ども番組程度に留めるしかない。最近はNHKの教育番組もクオリティー高いですからね。

それはたぶん、予算の都合も大きかったでしょう。ロケ地はそのほとんどが、科学未来館でした。講堂のシーンから、オフィスや廊下を走るシーンなどなど、科学未来館を歩いていると、あ、この場所、さっき『9次元からきた男』で観た! と気づいて、それはそれで楽しかったけど(笑)。

予算、上映時間、この2つばかりは、清水監督にもどうにもできませんからね。

観たあとに思った。

CG映像は美しかった。息をのむほどに。だからこそ、清水監督がさらに手腕を発揮できる予算をかけた次回作を見てみたい。

できれば「あらすじ」より、もう踏み込んだ「第1話」を。

なんか、消化不良を起こしたみたいな書き方ですが、科学が好きすぎるオッサンの戯れ言と思って、お許しくださいませ。



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