つい先日のことですが、駅ビルのトイレに入ったんですよ。
あ、すいませんね、月曜日から下の話で(苦笑)。
まあ、ともかく、駅ビルのトイレに入ったんです。
最近は、新しい駅ビルが増えましたよねー。JRさん、駅ナカとかいっちゃって、再開発に余念がありませんな。これまた少し前のこと、久しぶりに立川に行ったんですけど、駅ナカが、すんごくきれいなショッピング街になっていて、ビックリ。
おっと、話がそれてきた。トイレの話でした。
話は立川の駅ビルじゃなくて、べつの駅ビルですが、同じように、最近よくある、きれいな商業ビルですよ。とーぜんながら、トイレも美しい。
またまた話がそれるけど、トイレの善し悪しは重要ですよね。とくに女性のお客さまに来ていただこうと思ったら、トイレの美しさは重要だと思われます。
で、やっと本題ですが(苦笑)。
その駅ビルのトイレに入ると、30代と思われる男が、大をする個室のドアの前に、身体を密着させるようにして立ってるんです。ちなみに、ドアは閉まっていて、中にだれかいる様子。
なんだ?
と、一瞬思いましたが、すぐにその理由が判明しました。
「どうだい、ちゃんとできるかい?」と、その男が、中に向かって声をかけると、中から「大丈夫だって。心配するな」と、明らかに老人と思われる声が返ってきた。
おそらく、足腰の悪いジーさまを、トイレに連れてきたようです。
ここまではよろしい。
わたくし、そのときの用件は小さい方でしたんで、男が立ってする便器に向かいまして、ズボンのジッパーを下げ、頭を垂れているわが息子を……
え? そんなこと描写せんでもいい? そうですよね、うはは。
そんなこんなで、わたくしが用を足してますと……
「んー、わからんなあ」
と、ご老人の声が聞こえてきたんです。
「どーやって流すんだこれは」
ん? ジイ様、トイレの流し方が分からんのか。
「ボタンかなにかあるんじゃないの?」
と、外で待っている男が答えると――
「ボタン? ないよ。いや、わからん」
わかんないんだ!
「じゃあ、アレだ。自動で流れるんだ」
と、外の男。
うそー! テキトーなこというな!
たしかに便座から立つと、自動で流れるトイレはあるけど、そういうトイレでも『ここに手をかざすと水が流れます』なんて書いてあるセンサーがついてるはず。そういうセンサーなり、ボタンなり、レバーなりがついてない公衆トイレなんか、ぼくは見たことがない。
「そうか」
と、ジイ様は、けっきょく水を流さずに、出てきちゃった。
うーむ。
トイレが美しく、かつ機能的になるのは大歓迎だけど、水の流し方がわからないってこともあるんだな。
そーいえば、ごくごく希に、流していないトイレ入って、「うわっ!」と顔を背けることがありますよね。そーいうの、前の人が単純に流すのを忘れてるだけだと思ってたけど、流し方がわからずに、そのまま出てきちゃう人も、意外といるのかもなァ。
日本は高齢化社会ですもんね。機能的なだけじゃなくて、どんな人にも「使いやすい」研究は、今後ますます必要なのでしょう。
トイレで、自分の息子さんを持ちながら、崇高なこと考えちゃったよ(笑)。